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教員の仕事は、コンピューターに代替されないのであろうか? [教育論]

 今日(2016年2月14日)の東京新聞の社説に、コンピューターが進展することで、日本の労働人口の49%の職種が10〜20年後にロボットやAIによって置き換わることが可能だという野村総合研究所の研究結果が紹介された。アンドリュー・マカフィーとエリック・ブリニョルフソンの『機械との競争』に書かれていたような内容であるが、この手の話で興味深いのは、どのような仕事が置き換わるのか、ということである。私も大学の教員の端くれなので、学生達がどのような仕事に就くかということが気になるので、こういう記事は興味深い。
 まず、この野村総研の研究結果では、対象とした601職種のうち、代替可能性が高いのは、一般事務員、医療事務員、行政事務員、経理事務員などのいわゆるホワイトカラーの仕事であるとしている。私はこのようなホワイトカラーにも専門的な能力や創造力が必要なのじゃないか、とは思うが、多くのこのような事務員達が創造性を発揮せずにロボットのように仕事をしているし、またこれらの人達の管理者がロボットのように仕事をすることを期待するので、そういう観点からは代替可能という指摘はそれほど間違っていないかもしれないと思う。
 また給食調理人、自動車組立工、測量士、タクシー運転手などもそうらしい。ふうむ、タクシー運転手などは随分とひどい人もいたりするから、むしろコンピューターでもいいかもしれないが、そうしたら、そもそもタクシーという乗り物の形や移動の仕方も変わるような気がする。
 そして、代替が難しいのは医師、教員、芸術家、ネイルアーティスト、バーテンダー、ツアーコンダクター、ソムリエらしい。本当かなあ。ツアーコンダクターなんて、もう十分、インターネット程度のAIで代替されている気がするけど。ソムリエは意外とそうかもしれない。しかし、これも個人の好みなどをしっかりと読み取ろうとするコミュニケーション能力が前提にあるので、いい加減なソムリエはいらないかもしれない。そして教員も怪しい。教員も個々の生徒の特性などを見抜いて、的確な指導や教育ができればAIの代替は難しいかもしれないが、一方的に自らの価値観やシステムを押しつけるだけであれば、いつでもコンピューターに代替可能である。


機械との競争

機械との競争

  • 作者: エリック・ブリニョルフソン
  • 出版社/メーカー: 日経BP社
  • 発売日: 2013/02/07
  • メディア: 単行本



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