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台湾の若者達がテキパキと効率よく働くのをみて、これじゃ日本は近いうちに衰退するな、と確信に近いものを抱く [グローバルな問題]

 台湾の桃園市で、桃園市のまちづくり大会のシンポジウムにて講演をした。そこで、つくづく感じたのは、台湾の主に大学生の若者達が非常に積極的にテキパキと働くことである。的確に状況を判断して、問題があるところをフォローし合って、プロジェクトを遂行させる姿は、非常に強いサッカー・チームの流れるプレーをみるようである。そして、日本やアメリカのように嫌々とやっているのを営業スマイルで隠しているのとは違い、前向きに仕事に取り組んでいるという印象を受ける。
 このように組織的に動けている人達に対して、日本はどうであろうか。私は大学の教員をしているが、学生達をみると、極めて利己的で組織的で動くのが本当に苦手であるな、と思う。うちのゼミ生は、飲み会にはまだ参加するが、他のゼミでは飲み会に参加することさえ忌避する学生さえいるそうだ。自分が何か積極的に価値をグループで創造することを嫌うどころか、消費することさえ、多少でも強制的な臭いを感じると嫌がる。私の学生でも、ゼミ活動で何かを購入する際に、1万円ぐらいの立て替えも嫌がり、私にお金を払わせる学生がいる。私はその時、ドイツにいたので、彼の銀行口座に振り込んだ。振り込み手数料で400円ぐらいが余計にかかったが、まあ、そのことを文句として伝えるのも疲れたので放って置いた。日本の若者も仕事をすることはできる。ただ、それはお金をもらう対価として、という意識を持っているからで、仕事をすること自体に何か喜びを見出すという人の割合は少ないと思う。結果、仕事を通じて新しい価値をすることはなくなる。言われたことだけしかやらなければ、新しい価値を生み出す余地さえ生じないからである。
 どうして、そのような違いが生じてしまったのであろうか。これは、こんな適当に思ったことを徒然と連ねているブログでいきなり、答えが見出せるようなものではないが、そもそも組織、社会、グループが貢献したいと思えないということもあるのかもしれない。そのような中で暮らしてきたので、もう最初から、そのような意識さえ持てなくなってしまっている。
 これは国としては、大変な損失であると思う。私と同様に、中国から招聘された大学の教員が「シンポジウムに関与している人々が、皆、素敵な笑顔で頑張っているので感銘を受けた」と挨拶をしたが、この台湾の人達のパワー、そしてそれを束ねられている組織のパワーは凄いものがあると思う。このパワーは国には集約されていないかもしれないが、しかし、国に人材は育っているという印象を受ける。個々の力もそうだが、コレクティブな力は凄い。この育った優れた人材に対して、日本の若者はどうなのであろうか。最近、世界に出ると、日本のガラパゴス化、駄目さ加減が気になるようになっている。せっかく、優秀な民族として頑張ってきた日本人であるが、それを受け入れる器がぼろぼろなので、それらの人材が全然、育たなくなっているのではないだろうか。ということを考えさせられた今回の台湾行きである。

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