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トスカーナ地方の景観はそれほど大したことがないと思われる [地球探訪記]

 フィレンツェからシエナまで鉄道で往復した。車窓には、トスカーナ地方の田園風景が広がる。私の持っている観光ガイドでは、この田園風景は素場らしい景観であると書かれているのだが、少なくとも車窓から眺める田園風景の景観はそんなに素場らしくない。農業景観としては、例えば北海道の富良野の方が背景に十勝岳などがあったりして、ずっと美しい。植物もちょっと興味を惹くのは糸杉と、葡萄畑くらいである。丘陵に葡萄畑が広がるのは美しいなとは思うが、このような風景でいえばドイツのモーゼス川流域、リューデスハイム周辺のライン川沿いとは比べものにならない貧弱さである。
 このような車窓からみられる田園風景としては、日本だと山陰線の車窓に展開する漁村風景は本当に美しいと思う。あと、車窓から見られるものはちょっと頭に浮かばないが棚田なんかも、田園風景としては美しく、トスカーナ地方のものよりずっと印象的だ。ただ、道路が少ないので、それは日本の田舎の風景よりも美しい。これはドイツもそうだが、ヨーロッパの田園の方が日本より美しいと思うのは、道路が狭くて、高規格でないため、風景に溶け込んでいるからだ。ただ、田園自体はどちらが美しいかというと日本の方に軍配は上がると思う。トスカーナ地方の田園風景が素場らしいと書いた「地○の○き方」の編者は山陰線とかで旅したことがないのかな、と思ったりする。
 まあ、私は、トスカーナ地方はやはり素場らしいかなとの印象を受けたが、過大評価は禁物である。料理といい、贔屓をせずに客観的に優れたところを指摘すべきであるし、トスカーナ・ブランドだからすべていいといった紹介の仕方には抵抗を覚える。

タグ:トスカーナ
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