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中国人観光客を嫌悪する日本人は、自分達も海外では同じように見られていることを自覚すべきだ [グローバルな問題]

 北海道の夏には結構、多くの中国人観光客が来ている。中国人といっても本土だけではなく、台湾の人たちも多く来てくれているそうだ。そんなに大したところでもないのに、多くが来てくれて本当、地域経済を助けてくれて有り難い限りだな、と別に観光業とはまったく関係ない私でも思ったりする。
 さて、そういうことを阿寒湖畔のお土産屋さんとお話をしたら、どうも皆がそう思っていないことが分かった。中国人の観光客は、ちょっと振る舞いが日本人と違うので嫌だと思っている人が多いそうなのだ。私は、それが地元の観光業の方ではなく、周りの日本人観光客だろう、とその時、勝手に思ったのだが、もしかしたら観光業の方でもそういう感想を抱いているのかもしれない。
 さて、しかし日本人観光客が中国人の振るまいを嫌悪しているのは、随分と了見が狭い話である。なぜなら、日本人の観光客も随分と海外ではご迷惑と顰蹙を買っているからである。特に、私は日本人と海外に行ってレストランに入ると、お願いだからパスタを注文しないで欲しい、と強く願う。というのは、ほとんどの日本人はパスタを啜るからである。私の若い女子学生でも、平気でそばのようにスパゲッティをずずずっと啜って食べるものがいる。テレビ番組でイケメンの俳優でも、そうやって食べていたりするので、これはもう格好悪いとも思われないのであろうが、ヨーロッパでは相当の顰蹙ものである。私もドイツ人の友人やチェコ人の友人からその点を指摘されたことがある。「あの食べ方はヨーロッパでは許されないほど下品」と指摘をされている。
 まあ、あの啜り食べに関しては、実はちょっと知恵のようなものもあって、熱い麺もの、例えばラーメンのような料理は、ああやって食べると舌を火傷させないし、せいろのそばのような料理はあのように食べると、汁が飛び散らないで食べることができる。したがって、それはそれで合理的であると思われる。ドイツのラーメン屋は、スープが熱くないのだが、これはドイツ人が啜って食べられないので、通常、我々日本人が食べるような熱いラーメンだと火傷をしてしまうからで、私はこの点はドイツ人側が愚かであるとは思っている。しかし、スパゲッティを啜って食べる理由はまったくなく、ただ単に下品なだけである。とても言い訳は考えられない。まあ、松本人志であれば考えられるかもしれないが。
 あと問題があるのはスープである。日本人のほとんどがスープを啜る。しかし、スープは啜って食べない。口にスプーンごと含む。これが出来ている日本人はほとんどいない。実は私も意識している。意識しないと啜りそうになってしまうからだ。これも、スパゲッティの啜りほどではないが顰蹙である。
 まあ、観光客だから、現地の作法を知らずに恥をかくこともあるかとも思う。旅の恥はかき捨て、という言葉があるくらいだからだ。したがって、そういう風に我々もある程度、許されて海外旅行をさせてもらっているのだが、こんな大して楽しくもないような日本の観光地に喜んで来てくれる中国人観光客には、ちょっとでもよい思い出を持ってもらうように、我々も少しは地方経済に貢献するような行動を起こしてもいいのではないだろうか。


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