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中国観光客をもっともてなしすれば、日本の地方経済も潤うかも [地域興し]

 北海道に行く。一泊目は阿寒湖で泊まった。ネットで検索して、夕食を取らなくてもよい、阿寒湖畔にある宿に泊まった。戦後のおそらく1960年代か70年代につくられたような団体観光客相手の古いホテルであった。おそろしくレトロなつくりで、その時代遅れ感は、懐かしいというよりかはちょっと嫌悪感を覚えさせるようなものであった。
 しかし、客は多い。今でもこんなホテルに泊まる人がいるんだな、と妙に感心をしていたら、これらのお客さんはほとんどが中国人であった。こんなおんぼろホテルに泊まってくれるなんて、とても有り難い人たちである。なぜ、こんなところに泊まるのか、私にはちょっと理解しにくいが、まだ消費が成熟していないからであろうか。バブル前の日本人と同じような消費成熟度なのかもしれない。
 ある意味で、日本の顧客だけを対象にやっていればとっくに潰れていたような旅館が中国観光客のおかげで持っているということだ。これは、地方経済にとっては大変、有り難いことであり、日本の10倍以上の人口を抱える中国市場をうまく取り込むことで日本の地方経済も潤うかもしれないな、と思ったりもする。これは、フランスとかがおそらく日本人観光客相手にやっている戦略とも通じるところかもしれない。例えば、フランスの建築家であるコルビジェが晩年につくったロンシャン教会という建物がドイツ国境近くにあるが、そこなどは訪問客の半分以上が日本人である。本当、うまく仕掛けたもんだよな、と思う。フランス人が日本人をうまく有り難がらせるといったしたたかさを日本の地方も学び、しっかりと中国人の人たちが日本に来てよかった、と思わせるような仕掛けを展開するべきであろう。
 気をつけなくてはならないことは、中国人の消費者達も、今は洗練されていない今ひとつの観光サービスでも有り難がっているかもしれないが、そのうち、日本人がそうであったように消費者として成熟していくことである。そういうことを考えると、今、生きながらえるチャンスをもらっている間に次の展開を模索するべきである。それが出来ないと、セカンド・チャンスはないと思われる。

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