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『ターミネーター ジェネシス』 [映画批評]

 ターミネーターの最新作。ターミネーターは時空を行ったり来たりできるので、新作ごとに新しいパラレル・ワールド的な展開ができるという点で、焼き直しが可能だ。そういう意味では、次回作がつくりやすい作品である。ただ、焼き直しをするたびに訳が分からなくなってしまうなと思うのは私だけではない筈だ。1作目と2作目は紛れもない傑作であった。ここで終わればよかった。2作目のラスト・シーンは相当、感動ものであった。しかし、3作でまた復活させると、もうあとはぐだぐだでストーリーに矜持もくそもない。突っ込みどころが満載だ。それでも、まあギャグ的なノリでこれまでは観ることができたが、今回は酷い。ネタバレになってしまうが、主人公である息子までが悪者になってしまうというのは話の骨格をぐらつかせすぎである。ここまでパラレル・ワールドにフレームワークがなくなってしまうと、もう機械が勝とうが人間が勝とうがどうでもいいかな、と思わせる。ターミネーターが最後のシーンがあるのだが、何かこじつけて次作で復活させるんだろうな、と思っていたら、この映画が終わる前にもう復活していた。もう、ここまでくるとターミネーターはストーリーではなくて、ターミネーターという映画のシナリオ・コンペの各作品を観させられている印象さえ受ける。問題なのは、最初の2作までしか傑作がないことである。

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