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FIFAの巨悪退治を行ったアメリカという国の社会背景 [都市デザイン]

 アメリカにいる。アメリカの新聞ではほとんど唯一ともいえる全国紙「USA Today」のトップ記事はFIFAの幹部汚職であった。スポーツ面でも1面であったが、トップ記事での1面というのは、アメリカがいかにこの問題が重要であるかを示唆している。車でラジオ番組を聴いていたのだが、やはり、このFIFA問題は随分と語られていた。しかし、アメリカがサッカーに関心があるのか、というと全然違っていて、このラジオ番組でも二人のホストがお互いに、これまでワールドカップで優勝した国をお互いに挙げていくという遊びをしていたのだが、ドイツ、ブラジル、アルゼンチン、フランスは当たったが、4回優勝のイタリアや、前回の優勝のスペイン、イギリスなどはまったく出てこなかったので(ウルグアイが出る筈はない、というかウルグアイという国さえ知らないのではないのでは)、まあいかに関心がないかが分かるようなものだ。
 確かに、カタールで開催なんて、ちょっとあり得ないし、ロシアでの開催も相当、妥当ではない。こういう不思議なことが起きたら、ちょっと疑うべきなのだろうが、この頃、自国のことでプリオキュパイされているので、迂闊ではあった。まあ、カタール開催なんて汚職以外で決まる訳ないよね。まず、暑いし、カタールなんてワールドカップに出たこともないし、そもそもサッカー文化も育ってないし・・・。さて、このおかしいことは賄賂であるということが白日の下に晒されてしまうと、過去のおかしいことも賄賂があったんじゃないかと思うのは当然のことである。イタリアは2002年の決勝リーグでのイタリア・韓国戦も八百長があったのではないかと語気を強めている。まあ、確かにあの試合はおかしかった。あの誤審の酷さは、八百長があったと思わせるものではあるな。
 まあ、この事件でしかしアメリカの威信は高まったであろう。誰も手を出せない巨悪に成長したFIFA。サッカーの人気がない、というかサッカーの利権がないアメリカだから手を出せたという背景もあったであろう。少なくとも多くのアメリカ人は、ワールド・カップが出来なくなったらどうするんだ!とかの文句は言わないからだ。私が聞いていたラジオ番組では、もうサッカーをこの世からなくせばいいじゃんん、とか平気で言っていた。サッカーには関心が低いんだよね、この国は。
 そして、巨悪を退治するアメリカという国家の、筋を通す、という姿勢は、他国民からの支持を受けるであろう。私でさえ、今回の事件は、よくやった、という気持ちになっているくらいであるからだ。それにしても、ロレッタ・リンチ司法長官は凄いな。できる黒人女性、なんとも格好よい。スイス政府とも連携し、FBIも動員しての逮捕劇。マフィア退治のような勢いである。

タグ:FIFA
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