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若者はみんなが思っているより無気力である [サステイナブルな問題]

 前回の衆議院選挙で若者の投票率の低さが話題になった。そこで、その投票率の低さは、自分達が投票したい候補がいないからだとか、どの政治家も似たようなものといった諦観が、その背景にあるといった分析をマスコミや評論家などはしていた。もちろん、そういった点もあったかと思う。しかし、事態はそのような説明で片付けられるようなものではないと思う。というのは、多くの若者はおそろしく無気力になっているからだ。一応、社会生活はしているが、民主主義的には引き籠もり状況になっている。したがって、私は仮に「明日の選挙の投票率が50%以下であったら、日本人は全滅する」と言ったとしても20代の投票率はせいぜい70%に届くか届かないぐらいではないかと思う。仮に「明日、投票しないと死刑にするぞ」と言われたとしても100%には届かないであろう。殺される直前には少しびびるかもしれないが、死をも超克できるぐらいの諦観、というか無気力さに囚われている若者は少なくないと思う。
 私が奉職する大学は、比較的、まだそれほど無気力ではないが、それでも「雨が降ると休講になる」という噂のゼミが定員10名のところ20名も応募した。このような場合、選抜することも難しいとは思うが(やる気の少しでもある学生を落とした方がいいのか、やはりやる気のある学生を取った方がいいのか)、もう自らが大学のゼミを全否定している。そこまで否定しても、大卒の肩書きが欲しいのだろうが、もう少し、実質的というか身のある大学生活を送ってもらいたいな、と否定された側としては思ったりもする。
 私は仕事柄、若者と日々接している。世間の若者分析は、まだまだ全然、甘いと思ったりする。もっと、若者は深刻に、無気力ながら民主主義を否定しているのである。

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