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ルミナリエ [都市デザイン]

ルミナリエは1995年12月、関西淡路大震災の被災者への鎮魂の願いを込めてスタートした。それから20年間、今では神戸の風物詩にまでなっている。12月の2週間だけ開催される。このルミナリエに生まれて初めて訪れた。前から関心はあったのだが、これだけを見るために関西にはとても来る気にならなかったからだ。今回、大阪に来る用事があったので、ついでに神戸まで足を伸ばした。

ルミナリエは、小電球による光の装飾である。この名称は日本の会社が商標登録している。一部、LEDも使われているが、壮大なる電気の無駄遣いとも捉えられなくもない。原発再稼働を前に、このような電気の無駄遣いによるイベントを多くの人が支持しているのはちょっと複雑な思いもしない訳ではないが、都市経済を活性化する一つの有効な処方箋ではある。

集客数は初年度の250万人を除くと、以後、常に300万人以上を数える。これまでの最高は2004年の538万人。2008年以降は400万人を越えることがないが、ほぼ340万人をキープしている。約2週間という期間を考えると、とてつもない集客力である。

さて、実際、訪れてみて、それなりに綺麗ではあるが、花火大会のようなイベントであるな、というのが正直な感想である。クリスマスの電気装飾の延長線上にあるとも捉えられなくもない。普段、真っ暗である状況において、ハレ的な意味合いでやるのであれば、効果は高いかもしれないが、不夜城のような大都市において敢えてやる意義というのは、震災からの復興の目途がみえ、回復している神戸においてどの程度、続けるのかが問われるのではないかとも思う。もちろん、とてつもない集客力を数えていることから考えても、イベントとしては大成功事例であることは間違いないが、それがどの程度、街に還元しているのかが気になる。実際、この集客力がそのまま経済的なメリットに繋がっていないとの指摘が多い。企業の協賛が得られていないのも、それが理由である。震災から20年経ち、そろそろ、その位置づけなどを再検討する時期も来ているかもしれない。

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タグ:ルミナリエ
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