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秋晴れの日に武尊山に登る。 [日本百名山]

武尊山に登る。武尊山の登頂ルートは幾つかある。有名なのは裏見の滝コースと呼ばれる北側から責めるコースである。私のガイドブックもそれを勧めていた。他にも、南側からは、困難な朝日小屋コースや川場スキー場コース、川場野営場コース、武尊スキー場コース、武尊牧場コースなどがある。我々は、裏見の滝コースで行こうと、谷川温泉に前泊したのだが、私が登山日の二日前に足を痛めてしまった。裏見の滝コースは長い鎖場があって結構、アップダウンも激しい。これは、登頂できないと考え、武尊牧場コースで行くことにする。ここは、武尊牧場スキー場を起点とするコースで、10月6日までは週末はリフトで駐車場から武尊牧場スキー場のてっぺんまで行けたのだが、現在は代わりにシャトルバスでスキー場のてっぺんまで運んでくれる。前日に電話予約をして7時のシャトルバスに乗ることにする。

谷川温泉の宿を6時に出て、余裕で間に合うかと思ったら、武尊牧場スキー場の駐車場に到着したのはぎりぎりの7時。沼田インターチェンジから結構、時間がかかった。さて、このシャトルバスは往復で1000円はかかるが、標高で400メートル、時間でも1時間以上は稼ぐことができた。何より足を痛めている私にとっては、足への負担を軽減できるのが何よりも嬉しい。

武尊牧場スキー場のてっぺんは標高1480メートル。これは裏見の滝コースの1190メートル、武尊スキー場の1200メートル、川場スキー場の1130メートルよりもずっと高い。この差は大きいであろう。さて、武尊牧場スキー場コースは片品武尊牧場キャンプ場の隣にあるブナ林を歩いて行く。ブナの森と木漏れ日が目に優しい。天気は雲一つない晴天。すばらしい撮影日和でもあったのだが、私がどじにもコンパクト・フラッシュを入れ忘れ、私の一眼レフはただの重しにしかならなかった。何たるドジ。それはともかく、トレイルはしばらく平坦で楽な道が続く。出発してから1時間ほど経った8時30分頃、武尊避難小屋に着く。寂れた感じの小屋である。ここで一休憩入れてまた出発。それまでほとんど平坦に近かった道は徐々に坂道になっていく。しかし、大した難所もなく、尾根道であるために両側の山々が展望できて、非常に清々しい気分で歩いていく。左方向には皇海山、そして奥白根が、また右方向には至仏山、笠ヶ岳がみえる。とても雄大な光景が量が湾広がるのは、晴れた日の尾根歩きの素晴らしさだ。

さて、避難小屋から1時間ほど歩くと、展望がさらに広がるが、その目の前には絶壁ともいうべき急坂が行く手に現れる。ここで二回目の休憩を入れ、ストックをしまい、代わりに軍手をする。ここから鎖場が続くからだ。鎖場は、直角といいたいほどの絶壁で、足がなかなか引っかからないので苦労する。しかも、岩はもう氷が張っていたりする。そのような岩は、滑ってしまい、まったく足の踏み場としては使えない。鎖も足が入るような大きなものではなく、むしろ瘤が等間隔でつくられている紐の方が重宝する。何しろ、しっかりと三点確保を意識して登っていく。どうにか登り切ったあとは、背中にびっしりと汗をかいていた。随分と体力を使ったようだ。さて、この難所を越えると、あとは武尊山の頂上までは30分弱。この30分は結構、急坂であり、結構、疲れもしたが、何しろ素晴らしい天気と素晴らしい展望に疲れも吹き飛ぶ。10時30分には無事、登頂する。山頂からは東西南北、まさに360度の展望が得られる。登った苦労が報われる。

山頂では1時間ほど過ごす。カップヌードル、コンビニで朝、購入したおにぎり、バナナ、ソーセージを食べたらすっかり満腹になった。帰りはストックで快調に降りていく。例の鎖場は、意外と登りよりは難しくなく降りることができた。10月中旬だが、もう霜柱は立って、また氷が岩に張っているなど、そういう点では地面がぐしゃぐしゃとして歩きにくかった。靴が泥まみれになるのは避けがたい。しかし、コースは再三述べていたように尾根道が中心で大変、展望がよく、秋の素晴らしい登山を楽しむことができた。

武尊山は標高2,000m以上では唯一、国立、国定、県立のあらゆる自然公園に含まれていない山岳であるが、山自体が素晴らしいだけでなく、何よりそこからの展望は天下の絶景と言っても過言ではないものではないかと思われる。

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(鎖場の手前から中之岳を望む)

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(鎖場の手前から奥白根、皇海山を望む)

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(尾瀬方面。素晴らしい紅葉)

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(武尊山頂から西を望む)

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(山頂まであと少し)

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(鎖場は相当、急な岩肌を登って行かなくてはならない)

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(素晴らしい紅葉)
タグ:武尊山
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