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剣山 [日本百名山]

 徳島県にある百名山剣山に登る。標高1955メートル。西日本では石鎚山に次いで二番目に高い山である。
 前泊地は美馬市の穴吹にある旅館。そこで7時に朝食と取り、7時30分頃出発。穴吹川に沿っていく492号ルートと、貞光川に沿っていく438ルートがある。どちらかで悩むが、492号ルートは土砂崩れで全面通行止めであることを出発してから知る。選択肢はない。ということで貞光川ルートで行くことにする。距離的には35キロぐらいと、そんなにない筈なのだが、何しろすごいくねくね道であるのと、道が狭いので時間はかかった。運転も辛い。しかし、このアクセスの悪さは魅力である。アクセスが悪ければ悪いほど、秘境に来ているという有り難みが増す。
 さて、どうにか剣山のリフト乗り場に着いたのは9時30分頃であった。月曜日ということもあり、ほとんど登山客はいない。リフト乗り場から登ろうかと思ったが、家族と一緒なので大事を取って、上りはリフトに乗る。リフトは片道1030円となかなかの料金。ただし、これで標高330メートルが稼げる。時間的にも40分は節約できるであろう。

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(リフト乗り場)

 リフトはおよそ15分間で、西島駅という終点に着く。ここから、剣山ヒュッテまでは3つのルートがあるが、我々は尾根道コースというのを取る。これは階段上になっており、大変歩きやすい。ただ、きつい。日本の山は本当に急峻で登るのが大変だが、それは、この剣山という最も簡単に登れる100名山といわれる山でも例外ではないと思う。また、多くの花々が登山道を彩る。これは、なかなか素晴らしいと感心する。人気があるのも納得できる。

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(リフトからの光景)

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(多くの花が登山道を彩る)

 とはいえ、40分程度でヒュッテに着く。ヒュッテは、もうほとんど山頂であり、クマザサに覆われた広大な平坦な草原である。これはちょっと面白い光景である。山頂からの眺めは素晴らしいということだったが、生憎、雲が西側を覆っていたために、それほど感動的な展望は得られなかった。とはいえ、雨が降るかもしれないと予報されていたので、とりあえず雨に降られずに登れたことだけで十分感謝しないと罰が当たる。
 なぜ、頂上には木が生えていないのか。標高のせいか風のせいかは不明だが、この頂上が草原であるというのが、この山を優美でたおやかなものにしていると思われる。これが剣山の大きな魅力なのではないだろうか。

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(頂上からの展望)

 さて、雨雲が近づいているようにも思えたので、そそくさと下山する。下山は尾根ルートでない大剣神社コースを取ったが、これは尾根ルートほど展望も開けず、またワイルドフラワーもそれほど多くなく、さらには足下が尾根道コースほどしっかりとしていなかった。ただし、大剣神社からの展望はなかなかのものである。これを見るだけでも、行き帰りのどちらかで大剣神社コースを取るべきであろうと考える。また、このコースは、ワイルドフラワーは多くはないが、鳥のさえずりが多く聞こえる。これは、これで魅力的である。

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(大剣神社からの展望)

 帰りは、リフトに乗らず、一挙に見ノ越の駐車場まで降りる。途中、リフトと並走するようになるが、リフトの放送が耳に付く。これは興醒めだ。
 駐車場に着いたのは12時。ほぼ2時間30分の行程である。途中、ヒュッテでコーヒーと草餅を食べたことなどを考えると、リフトに乗らなくても3時間もかからずに往復できるのではないだろうか。
 さて、総じての感想であるが、難易度は高尾山にプラスアルファというぐらいのもので、子供でも頑張れば登れる百名山であるとは思う。今回、私は山頂からの素晴らしい展望というのを見ることはできなかったが、それでも十分、楽しめたし、何しろ空気が美味しいこともありリフレッシュできた。
 アクセスが悪いのが課題だとされているようだが、私は、むしろこの程度、アクセスを悪くしておき、その原生的な魅力、秘境的な魅力を将来においても保持してもらいたいと思ったりもした。

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(尾根ルートから北側、土砂崩れで道路が全面通行止めとなっているところを望む)

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(山頂付近から北側を望む)
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