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『大病人』 [映画批評]

伊丹十三監督の作品。三国廉太郎、宮本信子、津川雅彦等が出演。三国廉太郎の演技は、鬼気迫るものがあり、主人公の世界観に引き込まれる。テーマはすべての人が必ず直面する「死に方」に関して。より詳しくいえば、死ぬことが分かった人が、いかに死ぬ日まで生きていくかに関してである。ガンの告知、延命治療、モルヒネの使用の有無など、この映画で提起している多くの問題は現在では随分と患者の立場で捉えるようになっているが、この映画の撮影時はそこはまだ大きな社会問題であった。この映画によって、少しは患者にとって好ましい状況になったのかもしれないなどと思ったりもする。伊丹十三の映画はどれも見応えがあるが、この映画は彼が必ず挿入するエロ場面がそれほど刺激的でなく、そういった点でも本筋から横道にそれずに話を追えたので個人的にはよかった。


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  • メディア: DVD



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