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『ミツバチの羽音と地球の回転』 [映画批評]

『祝の島』の二番煎じかと、それほど期待しないで観ていたのだが、より住民にしっかりと密着してのドキュメンタリーは、観るモノに多くを訴えてくる。『祝の島』を観た人も、これは観るべきであろう。同じテーマではあるが、ドキュメンタリーとしての質の高さ、時宜にかなったテーマ(つくられたのは原発事故の前であるが)であることが、この映画を観るものを飽きさせない。

個人的に興味深いのは、中国電力上関原子力発電所寿運日事務所副所長の松蔭茂男さんが島民に対して次のように述べていることである。
「このまま第一次産業だけで島が良くなると本当にお考えですか。人口は年々減っていきます。お年寄りばかりの町になっていっていいのですか。」
私の最近の分析だと、人口縮小をあまりしない自治体は、一次産業比率が高い自治体である。むしろ、一次産業が唯一、自治体を持続させる経済活動である。例外としては、ニセコのような観光産業がうまく行っている自治体があるが、観光産業が失敗して占冠村のように著しく人口減が進んでいる地域もある。
(ここらへんに関しては、現在、投稿しているので、掲載されればまた紹介したいと思います)。

しかし、改めて原発はどうしょうもないな、というのがこの映画を観るとよく分かる。「絶対、海は壊れない」と主張した中国電力の人達は、福島原発事故後、どのように考えているのであろうか。松蔭さんは、相変わらず、原発は大丈夫であるという主張を島民に出来るのであろうか。あの渡部恒三ですら、宗旨替えをしたのだ。こういう人達が、今、何を考えているのかは興味深い。もし、それでも原発と考えているのであれば、本当に人の心が分からない人であろう。そうであれば、例え、エリート企業に勤めて、高給をもらっていても、人としては立派ではない。


ミツバチの羽音と地球の回転 [DVD]

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  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2012/07/27
  • メディア: DVD





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