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お金に関する話(1) [サステイナブルな問題]

 大阪市のあるNPOが手がけた都市デザインの成功事例を取材する。ウォーターフロントを再生した事例だ。このプロジェクトは東京も随分と熱い視線を浴びせているようで、取材依頼が多いそうだ。そこで、NPOとしても対応が難しいということで取材に係る費用を、国土交通省にも請求したら予算がないから払えないと拒んだらしい。ちなみにこの費用は1万円であった。私は、この国土交通省の対応に驚きましたよ。なんで、こんな取材費用までもが自腹を切れずして、国民の税金を使えないからといって取材をすることを断念するのであろうか。私は多少、研究費をもらっているし、少額ではあるが国民の税金から研究費をいただいている身ではあるが、その研究費で落とせない費用であったら自腹を切りますよ。NPOの人が、いちいち取材に対応して時間を割くことの機会損失を考えたら1万円という額は決して高くない。その情報が本当に欲しいのであれば、自分で払っても私は当然だと思うのだが、まあ、おそらくこの公務員は、そういう気持ちがほとんどないんだろうな。まあ、ないのはいいが、それなら大阪にまで国民の税金を使ってNPOの取材をしようなどということをそもそも考えないでもらいたい。外注すればいいだけの話だ。
 私は大学教員をする前は、会社員だったが接待費で落とせなかったら自腹を切って顧客と話をする機会をつくりだした。それは、会社のための仕事であったかもしれないが、その仕事を通じて自己実現などを意識していたからだと思う。必要な文献資料があって、それを会社の経費で落とせなかったら自分で支払った。会社の経費という枠組みで事業を展開しようとすると、どうしても新しいことができない。上司に理解がある場合ならいいが、理解がない場合は交渉する時間がもったいない。上司が悪いから仕事ができなかった、会社が経費で落としてくれなかったから営業がうまくいかなかった、という言い訳だらけのサラリーマン人生を送ることは情けないと思う。そういう人生を潔く受け入れられない自分が大人げないのかもしれないが、お金というのは将来を切り開く投資としても極めて有効に機能する。ただ、欲しいものと交換するただけがお金の役割ではないのだ。

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