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「学生と遊んでばかりいないで、もっとまともな事をしないと駄目だろう」という発言で私は奮起してきた [その他]

 私の大学での同級生が昔、私に言った言葉。「学生と遊んでばかりいないで、もっとまともな事をしないと駄目だろう」。私は39歳で大学に転職したのだが、その前の社会人としての仕事が「まともな事」だとはとても思えない。それは、具体的には国民からむしり取った税金をいかに中央政府が使い切るか、ということを支援するような調査報告書をつくるような仕事であった。だから、その会社を辞めて大学の教員になったことはまったくもって後悔していない。学生の面倒をみた方が、国家公務員の面倒をみるよりまだ「まともだな」と思ったし、建設的であるとも思ったからである。実際、会社人の12年よりも、大学教員の12年の方がずっと有意義であるし、仕事は楽しかった。それが「まともな事」かと堂々と言うようなことはしていないが、すくなくとも会社人の仕事は顧客を含めて、ほとんど感謝されていないが、大学教員は一握りかもしれないが私の仕事を感謝してくれた人達が存在する。
 とはいえ、大学の教員になって12年経つ。たまに学生の面倒をみていると辛くなる時がある。学生は裏切るのが得意だ。私の周辺の教員はほとんど学生を信じていないし、半数以上が敵視している。私もたまにそのようなアプローチを取った方が、いろいろな面で効用が高く、精神安定上もいいのかもしれないと思ったりする時もある。とはいえ、そういう時は、この同級生が言った極めて屈辱的で、人を馬鹿にした言葉を思い出して、ここで屈したら駄目だと思って踏みとどまるようにしている。
 広い心で、裏切ったり姑息な行動に走る学生を受け入れる度量が欲しい。まあ、そういうことも私へのチャレンジだと思って、踏ん張ろう。私が伝記を書かせてもらった中村ひとしさんはまさにそういう人であった。そうそう、私はこの12年間で、学生達からも相当、学ばせてもらっている。それによって、狭かった視野も広がったし、人間の幅も豊かになったと思っている。私自身、内面を拡げることができた。確かに社会に還元していないと言われればそうだが、別に会社人をしていた時に、どの程度、社会に還元していたかは甚だ疑問だ。少なくとも、会社員時代の12年間には本は1冊しか出せなかった(しかも、ゴーストライター)が、大学の12年間では12冊は出している。これらの本のうちの数冊は、学生と遊んでいるから書けたものである。
 ということで、確かに「まともな仕事」ではないかもしれないし、たまに、本当、自分が馬鹿を見ているなと思う時もあったりもするが、世の中、そういう馬鹿も必要かと思って、踏ん張るしかないな。
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