『たんぽぽ』 [映画批評]
1985年の伊丹十三の映画。ラーメン屋を舞台としたマカロニ・ウエスタン風のコメディー。売れないラーメン屋を経営する線が細く見えて根性が座った努力家の未亡人を、彼女を取り巻く男性達が売れるラーメン屋へと立て直すというストーリーが本筋であるが、それと関係ない人と食べ物にまつわる性を考えさせられるようなエピソードが数点、挿入されている。これらが、人がなぜラーメンに拘るのかの背景を描いているようで、ストーリーとしては無関係であるが、ストーリーに奥深さを与える効果を与えている。出演者が今、振り返ると相当、豪華であり、特に渡辺謙、役所広司の若さが眩しい。
映画を見終わった後、猛烈にラーメンを食べたくなる。「熱くないラーメンはラーメンでない」。映画で主人公が言う言葉だが、なかなかの名言である。
映画を見終わった後、猛烈にラーメンを食べたくなる。「熱くないラーメンはラーメンでない」。映画で主人公が言う言葉だが、なかなかの名言である。