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都市の鍼治療のポイント [都市の鍼治療]

中村ひとし氏と取材をさせていただく。公益財団法人ハイライフ研究所で私が監修をさせていただいている「都市の鍼治療」のデータベースのスペシャル・インタビューとしてである(http://www.hilife.or.jp/cities/)。そこで中村さんとお話をさせていただき、「都市の鍼治療」のポイントが見えてきた。それらは、大まかにまとめると次の通り。

1) あくまで目的ではなく、手段として捉える
2) 勇気を持って実践する
3) 人々を関与させる。自分達のプロジェクトであると思わせる。
4) 人事をしっかりと考える。適材適所を意識する。
5) その場所に合った解決方法
6) 速さは思いやり
7) 結果が見える(見えやすい)ということ
8) シンプルでなくてはならない。
9) 人が中心であるということ

1)プロジェクトのためのプロジェクトであってはならないとのこと。プロジェクトの見栄えではなく、そのプロジェクトによって、どのような成果が得られるのか。あくまで、プロジェクトは手段として捉えることが「都市の鍼治療」的アプローチとしては重要である。

2)取りあえず、実践してみるのが重要であるとの話。いろいろと躊躇するような状況にあっても、勇気を持って実践することがポイントである。

3)クリチバでは街路樹の管理は、その木の前に住んでいる人達にお願いする。それだけで、全然、人はその都市への帰属意識、この都市は自分のものであるということを意識する。2)で勇気を持って実践する、という話があったが、これも独断専行ではいけない。多くの市民の参画を得て、そして市民の支持を得ることが都市の鍼治療のプロジェクトとして成功するうえでは極めて重要であるということ。

4)この事例としては、例えば「環境寺子屋」が挙げられる。ここでは、ファベラのお母さんが先生をする。また、ゴミ買いプロジェクトでは、ゴミ集めをファベラのリーダーに任せることにした。適材適所で物事を進めていくことがポイントであるということ。

5)この点は、結局、都市の問題の解決方法は、その都市の特徴などを踏まえたうえで、その都市に合ったものでなくてはならないということである。すなわち、一般的な解決手段はないということだ。

6)の「速さは思いやり」は、事業を速くやることは、その市民のためであるということ。何か事業をやろうとしていても、だらだらしていると、それまで期待していた市民が失望して、それまで支援者であったのが敵対者、反対者になってしまう。やるのであれば、盛り上がった勢いでやり遂げなくてはいけないということ。「鉄は熱いうちに打て」である。

7)この結果が見えるというのは、5)とも関係するが、人々の支持を得るうえでは極めて重要な要素である。

8)複雑な事業は、都市の鍼治療にはならない。問題が生じたら、素早く対応。そのためには、シンプルなアプローチが何よりも必要。

9)この人が中心であること、というのは3)の条件を満たすためにも不可欠である。都市の鍼治療は、そこに住む人達の生活を改善するために行われる。当然、そこでは人が中心のアプローチでなくてはならない。ということで、都市の鍼治療は、この人が中心であることを意識することになるし、意識されなくてはならない。

 都市に住む人々が、より都市を楽しみ、そして快適な都市生活を送ることができるようになるために、都市の鍼治療での施術をしてもらいたい。優れた都市の鍼治療のデータベースは、適宜、更新されているので、是非とも参考にしてもらえればと思う。

http://www.hilife.or.jp/cities/

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