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台湾の鉄道に初めて乗る [地球探訪記]

台湾に学会で来た。てっきり会場は台北市内になるかと思ったら、台北の郊外であった。とりあえず、何も調べずに松山空港に来たので呆然とする。せめて「地球の歩き方」でもあればよかったのだが買い忘れている。取りあえず、台北に住んでいる友人に電話して、迷子になったことを告げる。地下鉄で行くのは無理なところにあるようだ。鉄道に乗って、最寄り駅まで行き、そこからタクシーがいいだろうとのアドバイス。鉄道に乗ってといっても、空港からどういっていいかも分からない。ということを伝えると、松山空港から地下鉄に乗って、タイペイ・メイン・ステーションという駅まで行き、乗り換えろとの指示。

台北にはもう何回も来ているが、よく考えると、いつも誰かと一緒だったので、地下鉄に乗るのもほとんど初めてである。しかし、地下鉄は何回か乗ったことがあるので、どうにか対応できる。問題になるのは、台湾鉄道、すなわち日本でいうところのJR線である。

メイン・ステーションにはどうにか問題なく着くことが出来た。次に問題となるのは切符をいかに購入するかである。自販機で買おうとした。行きたい駅は漢字なので読める。しかし、どうも、これは紙幣では買えないようだ。コインか、もしくはプレペイド・カードのみのようだ。しょうがないので、長蛇の列ができているが窓口があるところで購入する。行き先は書いて示す。ここらへんは漢字国出身の強みだ。というのも私の発音がとても通じるとは思えないからだ。ということで無事、切符は購入することができた。指定席も買えた。切符には発車時刻も到着時刻も記されているのでとても便利。さて、しかし、ホームに着いた列車は混んでいた。指定席の場所までたどり着くのが大変。どうにかたどり着くと高校生と覚しき若者が座っている。私が困っていると、日本語をしゃべる人が助け船を出してくれて、この若者をのけてくれる。私は、感謝の言葉をかけてそこに座った。

さて、乗車時間は45分くらいである。列車はどうも急行らしく、結構、駅を飛ばしていく。随分と台湾も日が暮れるのが早いな、などと思っていたら急に明るくなった。トンネルに入っていただけらしい。さて、途中の駅で乗ってきた女性が私の座っている席は自分のものだからどけ、と言ってくる。私の券に英語で「No seat after….」と書いてあり、何なんだろう、これはと思っていたのだが、その意味が分かった。つまり、指定席は、この駅までということなのだろう。すかさずどく。さっき、助けてくれた女性がまた、どうしたんですか、と聞いてくれたので、事情を説明したら納得してくれた。随分と親切な人で、私が降りる駅の手前で「次の駅です」と教えてくれた。私も身構えてはいたが、安心して次の駅で降りる。

さて、中壢にまではどうにか着いた私であるが、そこからはタクシーで行くしかない。大学までは少なくても2kmはある。しかし、タクシーが全然、止まってくれない。というか、日本の駅にあるタクシー乗り場がない。どうやって止めるのか、その術も分からない。日本のように手を挙げても無視される一方だ。このままでは埒があかない。これではしょうがないと思って歩き始めたのだが、これが結構、遠かった。途中、ラブホ街を歩いたり、オートバイにはねられそうになりながらも歩く。歩道がないので相当、緊張する。しかし、ちょうど前を歩いた人がいたので、彼の後ろについて歩く。こうすれば、私より先に前の人が車かオートバイに轢かれるからだ。さて、しばらく歩いていたら自然が呼んだ。ということで、チキン料理屋に入って食事をすることにした。このとき、ちょうど携帯に電話がかかる。
先方の大学からだ。今、どこにいるのか、と言われたので歩いて向かっていると言ったら、なぜか驚かれた。大学まで行けるけどホテルには行けない、と言うと、大学の正門で待つからと言われる。そこで、大学の正門に行くと、すぐ見つけてもらい、大学内にあるホテルまで連れて行ってもらった。こちらの大学の方々には、歩いて大学に来た奴は初めてだとか言われた。まあ、確かに50歳にはきつかったかもしれないが、歩く以外に方法がなかったからしょうがないじゃないか。「何が問題だったんだ?」と言われたので、「私に問題があるんじゃなくて、問題があるのはタクシーだ」と答える。

でも、その後、こちらの先生に連れて行ってもらった料理屋で、牛肉と餃子のような料理を食べてビールを飲んだら、もう苦労は忘れてしまい、なんか幸せな気分になってしまっている自分がいる。台湾は人がよくて、本当、精神的には癒されます。交通面ではいらつきますが。

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