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雪の下北沢を散策し、老舗パン屋「ミックスチャー」にて下北沢の素晴らしさを再確認する [都市デザイン]

 雪の中、下北沢を訪れる。購入した絵を取りにいかなくてはならないからだ。その後、一番商店街に行き、下北沢のパン屋「ミクスチャー」に行き、軽くサンドイッチとコーヒーを飲む。ここは、もう40年以上、この下北沢でパン屋をしている大栄同製パンが閉店したのを機に、同パン屋のファンが、オーナーの協力を借りて、先代の伝統の味にコンテンポラリーな味を加えて、また2005年に再開した店である。いい話だなあ。
 店名も大栄同製パンからミクスチャーへと変える。売られるパンはすべてここでつくられている。売っているパンは、40年も前であれば、東京のどこの商店街にもあったようなパン屋で売られているパンである。私が育った東長崎にもそのようなパン屋があった。怪しいぐらいイケメンの婿さんがいたパン屋で、大して美味しいパンではなかったが、子供の私はそこのハムエッグ・パンのマヨネーズとキュウリとゆで卵の相性のよさが妙に好きであったのを覚えている。もちろん、20年以上前に、そこは閉店した。このように多くのパン屋さんが閉店の憂き目にあっている。そういう中で、その形態はよりモダンなものに変えつつあるかもしれないが下北沢は、昔ながらのパン屋が、まだ再生という形かもしれないが生き残っている。ミクスチャーだけでなく、南口の味噌パンで有名なアンゼリカなどもそうだ。これは、やはり下北沢のような町でないと起きえないことなのではないかと思われるのである。というのも、このパン屋が一度は閉店しても再開できたのは、その店への愛着、下北沢という町への愛着が原動力となっているからであり、単に、利益を追求しただけでは起きえないからである。
 私は実はアンデルセンのパンが結構、好きで、このお店もアンデルセンと真っ向勝負したら、私はアンデルセンのパンの方が美味しいと思うかもしれない。そういういい加減さではあるが、それでも私は、このようなパン屋が存在する下北沢というのは、本当に素晴らしい街であるなと思うのである。なぜなら、繰り返しになるかもしれないが、このパン屋のパンは、単に強力粉、イースト菌によってつくられるのではなく、そこにもっと地域愛というか町愛というものが含まれているからである。この町愛というのは、下北沢に関心のない人には何の意味もないかもしれないが、このオーナーのように、そこに何かを感じ取った人にとっては、その違いが感じられるものであると思うのである。
 また、私も下北沢への愛情がちょっと増した気分になりました。

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