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『嘘つきケイティ』 [ロック音楽]

 スティーリー・ダンの1975年の作品。それまでのバンド形態を止め、ベッカーとフェーガンのコンビにセッション・ミュージシャンを加えてアルバムを製作するという最初の試みをしたアルバムである。したがって、これまでいい悪いは別として、強烈な存在感を持つ粘着質なギターを披露していたジェフ・バクスターが本アルバムではいない。個人的には、それまでのアルバムとの大きな違いである。そういう意味で音がより洗練されてきているし、Doctor WuにおけるPhil Woodsのサックス・ソロなどは、それまでのスティーリー・ダンでは聞いたことがないもので、その後のAjaへの流れが感じられる。ただし、曲自体は、Black FridayやRose Darlingなどは前作の延長線上にあると思われる。変わったのは、アレンジで、プレッツエル・ロジック発表後のライブ以降、ライブ活動をすることを止めたこともあり、音造りへの執念のようなものが感じられる。そういう意味で、スティーリー・ダンの大きな分岐点になったアルバムであり、バンドにおいては極めて重要な位置づけを有していると考えられる。ただし、前作のリキのようなインパクトのある曲もなく、そういった面ではあまり印象に残りにくいアルバムであるかもしれない。
 マイケル・マクドナルドがスティーリー・ダンで初めて参加したアルバムでもある。マイケル・マクドナルドは巷では、ジェフ・バクスターと同様にスティーリー・ダンのオリジナル・メンバーといった誤解が為されているが、事実はバクスターと入れ違いでスティーリー・ダンに参加したのである。次作のロイヤル・スキャム、エイジャ、そしてガウチョでも共演している。ドゥービー・ブラザースに参加するためにスティーリー・ダンを脱退したという認識は間違っている。また、Any World以外はすべてその後、トトのメンバーになる21歳のジェフ・ポーカロがドラムを叩いている(凄いな)。

うそつきケイティ

うそつきケイティ

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル インターナショナル
  • 発売日: 2000/09/20
  • メディア: CD



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