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地域と大学のパートナーシップを考える [地域興し]

 香川大学経済学部にシンポジウムに呼ばれて講演をする。シンポジウムのテーマは「地域と大学のパートナーシップを考える」。愛知大学の鈴木誠先生が基調講演をして、松本大学の福島先生と私が事例研究を報告した。
 その冒頭で「全国の中でも先端的に地域と大学の連携に突き進んでいる取り組みをしている大学」という紹介を受ける。随分と過大評価をしてくれたもので、なんか恐縮である。特に、福島先生の「夢工房」の取り組みは、地域としっかりと根付き、その成果も立派なものであり、私の事例とは比較にならない。そもそも、明治学院大学の経済学部で私の取り組みを「先端的」であると思っている人は皆無だろう。なんせ、経済学部が行った「ビジネス・プラン・コンテスト」では、私が取り組んでいるプロジェクトは最初の一次審査でさえ通らないのだから。松本大学のように文科省のCOCプロジェクトを受注し、数千万円の単位で活動しているところとは雲泥の差がある。私のプロジェクトは、私の自腹を切って数万円単位で行われているのだ。
 しかも、オリジナリティも有していない。私が地域と取り組んでいるプロジェクトは、次のようなものだ。
・ 魚らんの研究拠点・交流拠点としての「魚らんラボ(通称:魚ラボ)」
・ 魚らんのゆるキャラ・コンテスト
・ 高輪メリーロードのユルカフェ
・ 門前仲町の桜祭り
・ 江東区の水彩フェスティバル
・ 特定地域をテーマとした雑誌「ハビタット通信」の発行
 これらの、ほとんどのアイデアはパクリものである。魚ラボは、関西学院大学の片寄研究室が三田市で取り組んでいた「本町ラボ」のまねだ。魚ラボでは、「魚らん通信」という壁新聞を月に2回のペースで発行しているが、これも「閑楽亭通信」のパクリである。
 ゆるキャラ・コンテストに関しては、具体的に他の大学で取り組んでいるのを知らないが、おそらくどこかはしているであろう。ユルカフェは、香川大学の古川先生のグーカフェのぱくりである。桜祭りなどの地域の祭りやフェスティバルといったイベントの協力は、多くの大学も実施していることで、新規性も何もない。
 しかも、パーマネントに取り組んでいるのは「魚ラボ」だけである。他は、期間限定のイベント的なものが中心である。
 唯一、あまり見たことがなく、結構、模倣が難しいのは「ハビタット通信」の発行であろう。これまで、幾つかの大学から賞賛を受け、是非とも実施したいので参考にさせて欲しいとの話も受けるが、実際、似たようなことをしたという話は聞いたことはない。これは、ハビタット通信を印刷するには25万円ほどかかるためであろう。この印刷費を捻出するのに、多くの人は大学か外部に資金を求める。そのハードルは高いものがある。私は、学園祭でソーセージを売って印刷代を捻出する。この仕組みをつくるのが難しいからだ。
 さて、しかし、この「ハビタット通信」は地域と大学のパートナーシップというものではない。「いわき特集」などを組んだことがあり、これは地域研究としてはその成果は評価できると考えられるが、まあ、それで何か事業が動くというものでもない。
 まあ、一方で言い訳にはなるが、大学側のサポートや大学側への信頼がなければ、先端的な取り組みはなかなかできないし、そのリスクは大きすぎる。ということで、いろいろと試みてはいるが、先端的なものは強いて言えば「ハビタット通信」ぐらいであろう。とはいえ、なんか先端的であると周りから見られているというのは、イメージ戦略的には失敗していないともいえる。そういう誤解は、学生には結構、やる気を喚起させたりもするからだ。って、裏事情をこんなところで暴露してたら、その効果も減衰してしまうな。

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