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オックスフォード大学の先生の、スカイツリーなど東京の都市景観の徹底批判を聞く [都市デザイン]

オックスフォード大学で教鞭を執られている、日本語でも本が翻訳されているフォーカス先生とユルカフェにて話をする。彼は、15年前に実施した東京の郊外の研究のフォロー調査で来日しているのだ。この先生とは、私は初めてお会いしたのだが、とてもチャーミングでオックスフォード大学という超一流大学の先生とは思えない気さくなお人柄と、その豊富な都市知識に私はたちまち魅了されてしまった。

さて、最初は郊外の持続可能性などの話をしていたのだが、途中で、話はスカイツリーのデザインのひどさになった。彼が宿泊しているホテルが浅草にあるからのようだが、その醜さは、到底考えられない、といったとりつく島もないほどの徹底批判であった。私も前から、あの先端がハエの口を彷彿させる、とか、格子状のデザインがいらいらさせる、などとそのデザインに対しては極めて否定的であったのだが、ここまで批判されると、なんか逆にいいところはないかと考えをめぐらせたり、他にもっと酷いタワーが世界にはないかと考えたりしたのだが、彼の批判を緩めることはまったくもって出来なかった。まあ、私も彼の意見に納得するのだが、日本人であるので、なんか擁護したくなったりするのが自分でも不思議であった。

彼は、その高さは許せるという。しかし、あの先端部分のデザインの悪さ、そして私と同じように格子状の壁面、さらには地表部分のデザインが耐えられないという。エッフェル塔は、地表部分のデザインがよく考えられている。それに比べて、スカイツリーは何なんだ、という指摘。まあ、エッフェル塔は地震のことを考えなくてもいいからと言い訳をしたくもなるが、ただ、地表部分のデザインが悪いというのは、おそらくそうなのであろう(私は実は見たことがないのでよく知らない。エッフェル塔のは見たことがある)。

ただ、世界一のテレビ塔をつくるのであれば、どうして、もっとしっかりとデザインしたものをつくれなかったのが不思議である。世界的な建築家に智恵を絞らせればよかったのである。私はデュッセルドルフのタワーの意匠が結構、好きなのだが、このタワーの優れたデザイン性によって、その後、デュッセルドルフのウォーターフロントは多くの投資を呼び込むことに成功する。現在、このデュッセルドルフ・タワーは、フランク・ゲーリーのウォーターフロント沿いの3つの建物(通称:ゲーリー・ビルディング)とともに、デュッセルドルフのランドマークとなっているが、そのシルエットの美しさは、スカイツリーのそれが足下にも及ばないものである。それにしても、なんでこんなデザインになってしまったのだろうか。ということを、このオックスフォード大学の先生の強烈で、もう反論の余地が一切ない批判によって、改めて考えさせられた。

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