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日本の大学の長所をアメリカ人の大学教授から指摘される [その他]

協定校を締結したニューメキシコ大学の先生が、私が奉職する大学を訪れたので会食をする。この先生は、早稲田大学の国際教養学部で10年間ほど勤めていたので日本の大学事情もよく知っている。そこで、いろいろとアメリカと日本の大学論議になったのだが、彼は、日本の大学の教育制度は相当、優れているにも関わらず、世間もそして政治家も、さらには大学関係者までが悪くばかり言うので不思議だと言う。

私自身は、私の大学に交換留学で来ている学生からも、私個人の教育方法が優れていることや、私のゼミ生が羨ましいと半分はお世辞かもしれないが頻繁に言われるので、まあ、そういう点はあるなとは思っていたのだが、一般的にそうかと言われるとちょっと即座に同意することはできず、どの辺がそう思うのか、と聞くと「ゼミ」と「サークル活動」と返答した。

確かに私自身、大学院ではあったが、アメリカの大学に通い、また、客員教授という立場ではあったがドイツの大学にて研究した経験などから考えると、日本の「ゼミ」のように教員と学生とが親密になれる教育環境というのは滅多にないなとは思う。私はアメリカの大学院での指導教官とは、今だと一緒に食事をしたりする仲ではあるが、学生の時は特別なパーティー時を除けば、そういう機会はなかった。日本の学生は、教官にもよるだろうが、単に学問的なことだけでなく、社会面での教育なども大学において受けることがゼミを通じては可能である。こういう貴重な機会を提供するということは、なるほど日本の大学の極めて優れた点であろう。これまで、私はうすらぼんやりとその長所を認識していたのであるが、改めて日本の大学をよく理解しているアメリカの大学の先生に指摘されて、その優れている点を再確認した次第である。

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