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日本の大学進学率は低い!? [その他]

 日本の大学進学率は50%を越えている。同世代の約半数が四年制大学に進学するようになっている。そこで、田中真紀子さんではないが、大学は多すぎるという意見が世論に占めるようになっている。高校教師の96%近くが、「大学の数は多すぎる」と考えていることを示すデータもあるそうだ。
 確かに、大学で教鞭を執っている身としても、もしかしたら多すぎるのかもしれない、などと思ってしまう時もある。さて、しかし、そう考えると必ず、自分の中のもう一つの声が「でも、韓国の大学進学率は7割もあるから、日本の大学が多いということもないだろう」と反論してくる。そして、その声を聞きながら、日本の国力を上げるためには、大学進学率を韓国とまでいかなくても、少しは近づけた方がいいかもしれないな、などと考えたりもする。しかし、私に刺激を与える韓国よりもさらに大学進学率が高い国が結構あることが分かった。それらは、オーストラリア(90%超)、ポーランド、ポルトガル、ニュージーランド、アイスランド、ノルウェー(すべて8割強)などである。韓国と日本の間の進学率の国はさらに多くあり、アメリカ合衆国、フィンランド、スウェーデン、オランダ、イギリス、イスラエル、チェコ、デンマーク、オーストリア、ハンガリー、アイルランド、イタリアなどが含まれる。
 ちなみに日本はOECD各国平均を下回る大学進学率である。日本より低い大学進学率の先進国は、そもそも10歳という若さで専門職教育への道へ行かせるドイツ、そしてスイス、スペイン、ベルギーくらいである。
 このように考えると、日本の大学進学率はまだまだ低いぐらいであることが分かる。それなのに、このように大学が多すぎる、と批判されるのは、大学に行っても大したメリットがないと思われているからであろう。その点を大学がしっかりと改善させることができなければ、大学不要論が世論をまた賑わすであろう。
 さて、このような考えを踏まえると、大学が必要であると学生、高校教師、そして社会にも思ってもらえるような対策を検討していくことが必要である。それにも関わらず、なぜか、ゼミ生が一桁(年によっては0人とか一人)しか募集してこないような教員達が、いろいろと対策を施そうとしたりしている。自分自身をもマーケッティングすることもできない人達が、学部とか大学レベルであれば、マーケティングできると思うのは大間違いだ。自分の店に人を呼ぶことができない人が、商店会会長になって、商店街に人を呼ぶことなど出来る訳がないことと同様だ。そういう意味では、このような教員が努力しても全くの無駄である。というか、むしろマイナスかもしれない。しっかりとしたマーケティング戦略を策定できるような人が、学生そして社会のニーズをしっかりと汲んでその対策を検討し、具体化していくことが大学にとって必要なのではないかと考える。
タグ:進学率 大学
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