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デンマーク人は豆大福が苦手? [グローバルな問題]

デンマークのコペンハーゲン大学の学生達が明治学院大学を訪れる。私はゼミ生数名の力を借りて、キャンパスのツアーと周辺地区のツアーに引率した。明治学院大学の白金キャンパスはなかなかよい。本館は世田谷美術館や高岡市美術館、大分市美術館などを設計した内井昭蔵である。内井氏の亡くなる直前に仕上げられた作品の一つで、私は相当、気に入っている。一部の教員には不評を買っているが、私は、これは本当に「豚に真珠」だなと思っている。さらに、白金キャンパスには3つの歴史建築物がある。国の重要文化財であるインブリー館、東京都港区有形文化財の明治学院記念館、同文化財の明治学院チャペルである。チャペルはヴォーリズの作品だ。チャペルとインブリー館は中に入れなかったが、これらを説明するときは、ちょっと自慢気になってしまう。明学で働いていてよかったと思ったりする。なんか、どこかの予備校コンサルタントが、うちの大学の執行部に「最近では東洋大学がライバルとして意識されています」などの妄言を言ったらしいが、これらの歴史建築物がある限り、東洋大学とは常に一線を画せると私は思っている。

それはさておき、これら明治学院大学のキャンパスをみてもらった後、街に出る。まずは、昭和8年(1933年)につくられた高輪消防署。アールデコのなかなかオシャレな建物で、なかだえりさんの「東京散歩」でも紹介されている。ノーアポ訪問であったが、中を見せてもらう。江戸時代の防火具などもあって、面白い。その後、とことこと旧東海道を歩き、寂れた商店街の様子をみてもらった後、高輪の魚らん寺などのお寺をみてもらい、我々ゼミが魚らん商店会から貸してもらっているスペースにいって、ディスカッションをする。ディスカッションの内容は、「アベノミクスは将来を捨てて、現在の豊かさを維持する無謀な策だと思うがどう考える」とか、「東京オリンピックで公共投資が東京に集中することの弊害は」とか、「これだけ財政赤字が続いて、今後どう解決すればいいのか」など結構、難しい質問がきて、ちょっとたじたじだ。私は、そんなことが分かれば、私は政府で働いていると思うよ、などと言って逃げていた。さて、このディスカッションの最中に、我々はデザートとして、高輪の松島屋の豆大福を用意していた。もう、東京的なヒット商品であり、お昼前には売り切れてしまうという絶品である。私もここの豆大福は世界で一番美味しいと思う。昭和天皇も大好物であるという逸話もあながち嘘ではないと思わせる美味さだ。この豆大福を人数分予約して、豪勢に振る舞った。私は、多くのデンマークの学生が、「こんな美味しいものはデンマークにはない、さすが日本」という反応を無邪気にも期待していた。しかし、実際は、一口、二口食べると、もういらないという感じで残した。30人ほど訪れたのだが、彼らが去った後には、松島屋の素晴らしくも美味しい豆大福の食べ残しが、無残にも置かれていた。この光景は、ある意味でちょっと想像できない。

ということで、デンマーク人に美味しい豆大福は、まさに「豚に真珠」ということが分かった。ある意味で、勉強にはなったが、ちょっと残念な気分だ。まあ、豆大福が食べられたら、外国人もちょっと日本通と評価してあげてもいいかもしれない。

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