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『商店街は学びのキャンパス』片寄俊秀 [書評]

関西学院大学の元教授である片寄俊秀氏が、1997年に開設した、三田市の本町商店街にまちかど研究室「ほんまちラボ」にまつわるお話、そこで酒を飲みながら徒然に思索されたこと、そしてその思索されたことを学生達と行動に移して、元気のなかった商店街に賑わいと活力をもたらした物語を書き記したもの。衰退気味の商店街の中に、おもしろさ、素晴らしさを目利きのように見出す著者の眼力。そして、それら埋もれてしまった価値、忘れてしまった宝物を学生をそそのかして、どんどん発掘させていく指導力。さらには、そのおもしろおかしい話をしっかりと編集して本にする筆力。あっぱれ、という言葉しか本を読んだ後に出てこない。最初の三田市の歴史などがあまり面白くないが、「ほんまちラボ」のルポのような話になる後半部分は加速度的に面白みを増す。そこらへんの商店街活性化本より100倍は面白い。これは、是非とも受講したい最高の講義の一つであろう。もう先生が退官されたのが残念である。

商店街は学びのキャンパス―現場に学ぶまちづくり総合政策学への招待まちかど研究室「ほんまちラボ」からの発信

商店街は学びのキャンパス―現場に学ぶまちづくり総合政策学への招待まちかど研究室「ほんまちラボ」からの発信

  • 作者: 片寄 俊秀
  • 出版社/メーカー: 関西学院大学出版会
  • 発売日: 2002/03
  • メディア: 単行本



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