SSブログ

半沢直樹の最終回はなかなか秀逸だ! [その他]

ご多分に漏れず、半沢直樹にはまった。私はテレビを観ないので、インターネットを通じての鑑賞であったが、大いに楽しむことができた。第一部は本当に秀逸な出来で、倍返しも見事に決まった。支店長だけでなく、金融庁をもギャフンと言わせて、また悪徳社長までやっつけて愉快痛快であった。さて、同じような勧善懲悪的な楽しみを期待していた第二部。敵は、今回はインフレが生じて、支店長ではなく常務取締役。遙かに強敵となるが、半沢はひるまない。そして、第一部と同様に、視聴者もエッと驚く敵の味方に翻意させて、半沢の圧倒的勝利。しかし、そのための銀行の評価は昇進どころか出向。いやあ、驚いたなあ。ほとんどの視聴者が溜飲を下げることができると思っていたら、なんと正しいものが罰せられた訳であり、黒も黒の大和田常務は、単に常務取締役から平取締役になっただけだ。これでは観ている方は欲求不満が高まるだろう。

しかし、私はいや、なかなか半沢直樹は奥が深い、と逆に感心した。そもそも、銀行という業界自体に正義などというものはない。そこに正義感があるなどと思って、正義を振りかざしても、結局は銀行というフレームワークの中では、その正義は通用しない。特に、半沢は常務に土下座を強制してさせたが、これは日本社会的には掟破りである。ある程度の悪も許容しなくてはやっていけないのが企業社会であり、相手が非を認めたら、詰め腹までは切らせない。そして、銀行などの組織は、相手が100%悪くても切らせない。そうでないと銀行業務などという、正義という価値観ではなく、利益という価値観で動いている企業などはあっという間に内部矛盾を起こしてしまう。それにも関わらず、半沢はそのタブーを犯してしまった。頭取や上司が「半沢」と制止したにもかかわらず、それを無視して大和田に土下座をさせてしまったペナルティとして半沢は出向させられてしまったのだ、と私は解釈した。まあ、私はこのように「正義」がないという企業社会につくづく嫌気がさして辞めたので、こんな半沢の生半可な正義が通じたら、逆に鼻白むところだったので、この最終回はいい意味で期待を裏切ってくれたし、次回の展開が多いに楽しみである。

興味深いのは、半沢直樹ブームで銀行の就職希望者が増えたそうだが、この第二部を観て、彼らがどう考えを変えるかということだ。半沢のような銀行員は素晴らしいが、銀行というロジックは半沢的な価値観とは相容れにくい。半沢のドン・キホーテぶりが目立った第二部であったが、それでも、私はフィクションだけでもいいが、半沢がいろいろと暴れてくれることを期待している。負けても暴れてほしいのである。トカゲの尻尾は切り取られた後でもしばらくじたばたする。これを是非とも見せてもらいたい。21世紀のドン・キホーテとしての半沢直樹の活躍に私は大いに期待するのである。

nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0