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デュッセルドルフの新しくできたアルト・ビール屋で国の強靱性は地方が彩る多様性に基づくことを再確認する [サステイナブルな問題]

デュッセルドルフはアルト・ビールが有名である。アルト・ビールはそのまま訳すと「古いビール」。上面発酵でつくられるビールで、その後、発明された下面発酵のラガーにほぼ駆逐されるのだが、デュッセルドルフとケルンでは、まだこちらがメジャーとして位置づけられている。私は、デュッセルドルフに住んでいたことがあるので、ドイツのビールでもこのデュッセルドルフのアルト・ビールが一番、好きである。

さて、デュッセルドルフにおいてアルト・ビールを醸造している有名どころとしては、シューマッハー、フックセン、エーリゲ、シュルッセルあたりが挙げられる。私はこれらのビールを醸造所まで行って飲むのが好きなのであるが、今回、デュッセルドルフ大学の博士課程の学生が、新しくできたアルト・ビール醸造所で飲もうといって連れて行ってくれたのがキュルツァー・ビールである。キュルツァー・ビールの醸造所は、旧市街地のアルトシュタットにあり、2010年9月に開業した。私はデュッセルドルフを2010年3月に離れているので、その後につくられたアルト・ビール屋である。アルトといっているのに新しいというところがおもしろい。

さて、飲んでみると、濃厚な味わいでガツンとくる。しかし、ひつこくなく何杯でもいけそうな感じだ。濃厚でインパクトがあるのに、ひつこくない。というか、私が好きなだけなのかもしれない。

感心するのは、このように地元名物の新しい店が出来ることである。食のグローバル化が進んでいるからこそ、拡張する地元産品ということもあるかもしれない。日本の地方都市も、地方名物をしっかりとブランディングして、新たな起業家を育てて、地方経済を活性化させることができるのではないかと考えたりする。ドイツは地方分権化されていることもあるが、地方がそれぞれの個性をしっかりと有しており、また、その地方の個性を強化させるような動きがみられる。結果、国自体も多様性を有することができ、その多様性が国に活力と柔軟性、そして最近の言葉でいえば、強靱性を獲得させることにつながると思われる。自民党政権や藤井某教授が主張するように、中央集権が国の強靱性を高めるのではない。むしろ、各地域がしっかりと個性を発揮させて多様性を維持することこそが、国の強靱性を獲得することに繋がるのである。というようなことを、デュッセルドルフの新たに開業したアルト・ビール屋は私に教えてくれる。ちょっと我田引水に聞こえたかもしれませんが、それは私が舌足らずだからです。

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