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木下勇『ワークショップ』 [書評]

千葉大学の木下教授が、四半世紀以上の期間、情熱を注いだ『ワークショップ』に関する理論、これまでの歩み、さらには著者が関係したものを中心とした数多くの事例、Q&Aまでも盛り込んだ、ワークショップ辞典のような書である。さすが、日本における先駆者の一人として、ワークショップのバックグランドの理解には特筆すべきものがある。ミスター・ワークショップと称してもおかしくない筆者のワークショップに関する経験の質量の豊かさが本書には滲み出ている。しかし、あまりにも盛り込みすぎたために、かえって本としての流れが見えにくい。というか、アラカルト的な編集が為されているので、辞書的に利用すれば有効なのかもしれないが、それも徹底されていないために、辞書ほどは使い勝手はよくない。そういう点では中途半端であり、これは著者に問題があるのではなく、編集の問題であると思われる。その点は残念。とはいえ、『ワークショップ』を理解するうえではきわめて有効なガイド本であることにはかわりなく、お勧めしたい。

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