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ロンドンでは最近、自転車が随分と普及している [都市デザイン]

最近、ロンドン市長のボリス・ジョンソンが注目しているのはコミュニティ・サイクルという自転車促進政策だ。これは、オランダの政策と同じで、人々に自動車ではなく自転車に乗ってもらおうという政策である。この5年間ぐらいで、随分と人々は自転車に乗るようになっている、おそらく5年前に比べて4倍ぐらい多くの人が自転車に乗るようになっているそうだ。自転車に乗ってもらうための政策は二つ。自転車に乗りやすくすることと、自動車を不便にすることである。自転車に乗りやすくするための政策は、私が以前、ロンドンに来たときにマスタープランを策定しており、私も環境交通地域省(という名称であったと思う)でその報告書を入手している。ということは、13年くらい前に既にそのような政策を中央政府が採っていたのだが、それが具体的に数字として反映するようになったのは最近かもしれない。具体的には自転車専用道路が整備されたり、フランス風のレンタル自転車なども導入されたりしている。実際、ロンドンに10年ぶり以上で訪れて、随分と自転車に乗る人が増えているという印象を受けた。さて、後者の自転車に不便にするということに関してだが、例えばバンクサイドのネイバーフッド・プラニングでは、もっと安全に自転車を乗れるように自動車の速度制限をこの地区内では36キロまで落とそうとしている。また、ケンジントンでは、エクヒビション・ロードでは道路を歩道化し、大きな広場にした。これを実現したのは2年前で、なんとタクシー運転手まで反対しなかったそうだ。他にも私が観察した中では、オックスフォード・ストリートが確実に歩道を拡張していると思われる。以前は、もっと歩道は狭かったと思う。また、バンクサイドのBIDも、地区内のある通りから自動車を排除して、歩行者空間へと転用させた。ということで、この自動車から歩行者へという流れは、このロンドンでも随分と行われていることが分かった。コペンハーゲン、デュッセルドルフ、ベルリン、マドリード、ニューヨーク、シアトルなどと同じように、この流れは全世界的であると思われる。が、肝心の日本だけが、なかなかうまく行かない。これは個人的には相当、不可思議な現象なのである。

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