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香川大学の「和Caféぐう」 [地域興し]

 瀬戸内海の直島でカフェを経営している学生達がいる。香川大学の古川先生が仕掛けた「和Caféぐう」である。直島は、20年前に現代芸術を活用した島興しをしたことで、世界的な脚光を集め、多くの観光客を集めるようになった。しかし、多くの観光客が来るようになったのはいいのだが、食事をする場所やカフェがない。そのような問題を島民から聞いた香川大学の古川先生が、ゼミ生に「誰かカフェとかやれば絶対、儲かると思うんだけどなあ」と言ったところ、ゼミ生が、「先生、そんなら自分達がやります」と言って、実際、島の一軒家を借りて、カフェを開始することにした。これが、直島の本村にある「和Caféぐう」というカフェが出来たことの発端である。2006年8月5日のことである。
 「和Caféぐう」は、古民家を借りて営業している。この古民家が何ともいえず良い味を出しているのだが、借りた時はもうぼろぼろの空き家で結構、掃除等苦労したらしい。この「ぐぅ」というネーミングであるが、「思いがけない出会い」の偶然の「ぐぅ」、「おもてなし」の待遇の「ぐぅ」、お腹が「ぐぅ」、環境に「Good」の「ぐぅ」の4つの意味が込められているそうである。和テイストが基本なのは、古民家というセッティングはやはり「和」だろうという考えがあるそうだ。
 「和Caféぐう」は、学生達がメニューを考え、学生達が調理し、学生達が接客をし、学生達が会計処理もし、学生達が看板をつくり、広報活動もするというカフェで、今ではしっかりと観光ガイドに他の食堂などと一緒に紹介されている。当初こそ、古川先生のゼミ生が主体で活動をしていたが、今ではむしろゼミ生はほとんどいなくて、他の有志の学生達によって運営されている。
 私が訪れた時には、もう7年間も経っていたこともあり、しっかりと学生達も組織化されており、きびきびと仕事をこなす学生達はもうプロはだしである。カフェではあるが、しっかりとした料理も用意されており、「ポークジンジャー」、地元の食材をつかった「いりこご飯」といったメニューもある。私は「ポークジンジャー」を注文したのだが、なかなかの味であり感心する。また、デザートも充実しており、「なごみ和ッフル」、「和パフェぐぅ」などもある。このカフェは2006年にオープンしてから、しっかりと赤字も出さずに経営されてきている。
 単にカフェを経営するというだけでなく、地域研究の拠点、島興しにも貢献できるよう「地域との交流イベント」、「観光ボランティア・ガイド」などの事業をも学生達は取り組んでいる。古川先生はあくまでも顧問として、このプロジェクトに関わっているようで、学生の相談には応じるが、基本的には、学生の主体に任せてプロジェクトを暖かく見守っているだけで、あまり干渉はしていない。
 想像していたより、はるかにしっかりとしたプロジェクトで大いに刺激を受けると同時に、積極的に応援していきたいという気持ちにさせられた。なかなか素晴らしいものをみせてもらった。

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(和カフェぐぅの看板)

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(和カフェぐぅの玄関)

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(和カフェぐぅの看板料理の一つ、ポークジンジャー)

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(厨房にお邪魔させてもらう)

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(香川大学の学生と私のゼミ生達との記念写真)
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