地球に落ちてきた男 [映画批評]
デビッド・ボウイ主演の1976年のカルト映画。ストーリーは支離滅裂で、話の展開もまったく出鱈目である。まともな映画を期待した人は落胆するかと思われる。しかし、それでこの映画の価値を判断するのは早計であろう。というのも、主演のデビッド・ボウイの美貌、そしてコカイン中毒で常にストーン状態になっていた中での演技の異様さが、この映画を観る者を強烈に惹きつけて放さないからである。また、この映画のロケ地であるニューメキシコの景観もエキゾチックで、この映画にいい味を加えている。あと、ストーリーと関係のないセックス・シーンがやたら出てきて、デビッド・ボウイもそのようなシーンを演じている。ここらへんの潔さは、ちょっと驚く。