SSブログ

スティーリー・ダンの『彩(エイジャ)』 [ロック音楽]

世の中に数多あるロック・アルバムの中で、最も完成度の高いアルバムを選べと言われたら、このスティーブ・ダンのエイジャを選びたい。とはいえ、このアルバムが純粋にロック・アルバムと言えるかは分からない。というのは、このアルバムはジャズ・ロックとの融合が見事に結実されているとも捉えられるからだ。Black Cow のイントロのギターのスライドから、Josieのエンディングのラリー・カールトンのギターとホーン群とが絡みながらフェイドアウトするまで一部の隙もない。スティーリー・ダンはDecades of Steely Danなどのベスト・アルバムがあるが、どのベスト・アルバムよりも、このアルバムの方が優れている。それは、まさにこのアルバムがスティーリー・ダンというバンドの絶頂期につくられたアルバムであるからだ。前作のRoyal Scamも飛び抜けて素晴らしいアルバムであるが、それと比べてもこのアルバムの曲群のオリジナリティ、アレンジ、演奏などは図抜けており、アルバムのトータリティが飛び抜けて素晴らしいのである。そして、まさにクラシック音楽が時代の変化に色褪せることがないように、このアルバムも発売されてから35年が経ったが、まったく色褪せるどころか、上質のワインのように、より艶やかになっているようにさえ聞こえる。私も、このアルバムを初めて聴いた高校時代よりも、今の方がこのアルバムを感謝できていると思う。もう、Larry Carltonのギターも素晴らしいが、PegのJay Graydonのギター・ソロも絶品だし、もちろんChuck Raineyのベース、AjaにおけるSteve Gaddのドラム・ソロも悶絶するほどいい。さらに、ジャケット・アルバムのデザインも見事にこのアルバムの高質な音楽にマッチしている。しかもジャケット・アルバムのモデルは山口小夜子。それもちょっと日本人ファンとしては嬉しい。


彩(エイジャ)

彩(エイジャ)

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: ユニバーサルインターナショナル
  • 発売日: 2010/06/30
  • メディア: CD



nice!(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0