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深川のアサリ飯 [B級グルメ雑感]

深川のアサリ飯、別名、深川飯はアサリを長ネギ、油揚げなどとともに醤油を掛けたものを煮て、その煮汁を加えて飯を炊き、炊きあがったものに具を戻してかきまぜたものである。炊き込みご飯であるが、具は一緒に炊くわけではない。東京駅のJR系の駅弁の代表格でもあるので、結構、知名度も高いかと思われる。

さて、この深川飯を提供するご主人さんとちょっとお話をすることができたのだが、結構、興味深い話を聞くことができた。まず、このお店は基本的には国産のアサリを使っているのだが、深川飯だけは韓国ものを使うそうだ。これは、韓国のアサリの方が大きくて、しかもあまり磯臭くないからだそうだ。他の料理はともかく、大量のアサリを用いる深川飯は、国産でない方がむしろ味はよくなるそうだ。また、東京湾のアサリというものもあるが、大変、高級であるので、とても手が出ないそうだ。

深川飯というかアサリ飯は、そもそもは漁師が舟の上で食べるための料理。手っ取り早く、アサリのすまし汁を米に掛けてかっ込むような料理であったそうだ。今で言うところのファストフードである。これは昼食の時間が15分くらいしか取れなかったことも要因であったそうだ。ということで、れっきとした江戸時代からの料理で、昔からこの門前仲町でつくられていたそうだ。これは、この門前仲町は漁場であり、おもにアサリ漁が中心であったからだ。漁師はおもに佃に住んでいた。現在は漁業権はほとんど放棄したので、門前仲町周辺では漁業はできなくなり、もっとも近場でも千葉県であるそうだ。

こういう話を聞くと、深川飯を食べるうえで、より有り難みが増す。それは、私がアサリ飯だけでなく、それに付随するストーリーも消費しているからだ。こういうストーリー性消費は、今後、需要が伸びていくのではないだろうか、と思いつつ、私は深川飯を食べていた。

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