東横線が副都心線と繋がったことによるプロコン [都市デザイン]
東横線が副都心線と繋がった。これによって、これまでターミナルであった渋谷駅は単なる通過駅になった。私は現在もそうだが、中学から高校にかけても東横線沿線に住んでいたので、この渋谷駅のターミナルがなくなってしまうことは感慨深いものがある。とはいえ、ターミナルの駅の最終日の喧噪には驚くものがあった。皆、そんなにも愛着があったのか、歴史的なイベントを一目でもいいから見ておきたかったのか、それとも東急自らの大袈裟なパフォーマンスに感化されたのか、よく分からないが、とにかく、人出の多さにはちょっとびっくりするものがあった。さて、しかし、東横線がなくなった訳ではない。駅が移っただけだ。そして、東横線は渋谷で止まらずに、副都心線を通って、西武池袋線の石神井公園やら東武東上線の和光市やらへと向かう。これによって、便利になるのではないかと多くの人が思ったりするが、私は相当、懐疑的である。
初日に早速、新しい東横線の渋谷駅を使ったが、JRや京王井の頭線への乗り換えは相当不便になった。強いて便利になったと言えるかもしれないのは、半蔵門線への乗り換えだが、それもほとんど違いはないようなレベルである。前から、副都心線の渋谷駅の不便さには閉口していたのだが、別に東横線が乗り入れたからそれが改善された訳ではない。これまでの東横線の渋谷駅の利用者の利便性が減じられたことを積分すると、相当のマイナスの経済効果になるかとも思われる。そして、乗り入れているのが副都心線というのが本当に残念だ。というのは、この副都心線は本当に不便で使い勝手が悪いからだ。私は副都心線を利用することがこれまで本当に少なかった。唯一、使うのは新宿三丁目に行く時くらいだ。早稲田の理工に通う学生や学習院女子に通う学生はちょっと便利になったかもしれないが、そういう用事がない学生にとっては、本当に東京都内の不便なところしか走らない線路である。これが銀座線とか半蔵門線だったら、都心を貫通するので便利だろうが、私はおそらく、日比谷線よりも今後も利用しないと思われる。娘も池袋の高校に通っているのだが、これまでずっと山手線を利用していた。副都心線が通っても山手線を利用しようかと悩んでいる。ただ、渋谷駅でのJRへの乗り換えが不便になったことで、山手線利用も以前に比べると悪くなっているので悩ましいようだ。
ということで渋谷駅が不便になった分を補うほど、この直通運転がメリットをもたらすとは、私は到底、思えない。むしろ、この渋谷駅の利便性が悪くなったことで、例えば、私は渋谷の楽器店をよく使うが、おそらくお茶の水の利用比率が若干、高まるのではないかとも思ったりする。そして、渋谷駅での飲みは減るような気がする。これまでは、井の頭線沿線も気軽に使っていたが、どちらかというと半蔵門線沿線を飲み会などでは利用するようになるかもしれないと思ったりもする。まあ、東急的にはそちらの方がいいのかもしれないが、沿線利用者の効用は減る。私は、これまでちょっと買い回り品を買うのには渋谷駅を頻繁に使っていたが、その割合は減るような気がする。むしろ、日比谷線を利用して銀座とかを利用するかもしれないし、それこそ副都心線で新宿三丁目に行く割合が増えるかもしれない。ということで、渋谷駅周辺の商業施設の利用割合は減るであろう。逆に、西武池袋線や東武東上線沿線の観光地に行くようになるかと言われると、ほとんどないだろう。なぜなら、沿線にはそんな面白いものはないからだ。川越？川越に行くくらいなら、横浜や三浦半島、鎌倉に行くであろう。しかし、逆はあるかもしれない。私の実家は西武池袋線沿線であるが、そこに住んでいたら、横浜の中華街や山下公園などには行っていたであろう。そういう点では、東横線の利用者は増えるかもしれないが、東横線沿線の住民にとっては、マイナスの方がプラスより多い事業であると私は思うのである。あれだけのターミナル駅を越える象徴的なランドマークを渋谷はつくることが出来ないであろう。あれこそ、渋谷の一つのステータスであった。池袋から西武池袋線のターミナルを除いたら、本当、魂が抜けたような感じになるのは異論を待たないであろう。あのつまらない駅に、レッドアローがいたりすることで、あそこは強烈に駅空間であることを人々に知らしめるのだ。同じ事は新宿駅でも言える。まあ、新宿の場合はJRの特急、あさまや成田エクスプレスがいることのインパクトが大きいが、それでも小田急線の新宿駅にロマンスカーが待機していることで、新宿駅は遠い他の地域とを結ぶ、「ハレ」的な空間であることを強烈に発信しているのである。渋谷駅はJRの駅としては、新宿駅はもちろんのこと、池袋駅よりも弱い。さらに、ここで、東横線のターミナルをなくすことで、なんか、駅としては相当、格が落ちると思われるのである。まるで新幹線が停まる前の品川駅のようなチンケな駅に堕してしまうような気がするのである。しかも、品川駅はそれでも地上にあったが、地下に潜ってしまい、都市景観としても抹殺されてしまう。東横線沿線住民として、そして渋谷駅を長らく使っていたものとしては、何か、もったいないことをしているなあ、というか土地を経済的な価値からしか見えない人達の愚行のようにしか思えないのである。
初日に早速、新しい東横線の渋谷駅を使ったが、JRや京王井の頭線への乗り換えは相当不便になった。強いて便利になったと言えるかもしれないのは、半蔵門線への乗り換えだが、それもほとんど違いはないようなレベルである。前から、副都心線の渋谷駅の不便さには閉口していたのだが、別に東横線が乗り入れたからそれが改善された訳ではない。これまでの東横線の渋谷駅の利用者の利便性が減じられたことを積分すると、相当のマイナスの経済効果になるかとも思われる。そして、乗り入れているのが副都心線というのが本当に残念だ。というのは、この副都心線は本当に不便で使い勝手が悪いからだ。私は副都心線を利用することがこれまで本当に少なかった。唯一、使うのは新宿三丁目に行く時くらいだ。早稲田の理工に通う学生や学習院女子に通う学生はちょっと便利になったかもしれないが、そういう用事がない学生にとっては、本当に東京都内の不便なところしか走らない線路である。これが銀座線とか半蔵門線だったら、都心を貫通するので便利だろうが、私はおそらく、日比谷線よりも今後も利用しないと思われる。娘も池袋の高校に通っているのだが、これまでずっと山手線を利用していた。副都心線が通っても山手線を利用しようかと悩んでいる。ただ、渋谷駅でのJRへの乗り換えが不便になったことで、山手線利用も以前に比べると悪くなっているので悩ましいようだ。
ということで渋谷駅が不便になった分を補うほど、この直通運転がメリットをもたらすとは、私は到底、思えない。むしろ、この渋谷駅の利便性が悪くなったことで、例えば、私は渋谷の楽器店をよく使うが、おそらくお茶の水の利用比率が若干、高まるのではないかとも思ったりする。そして、渋谷駅での飲みは減るような気がする。これまでは、井の頭線沿線も気軽に使っていたが、どちらかというと半蔵門線沿線を飲み会などでは利用するようになるかもしれないと思ったりもする。まあ、東急的にはそちらの方がいいのかもしれないが、沿線利用者の効用は減る。私は、これまでちょっと買い回り品を買うのには渋谷駅を頻繁に使っていたが、その割合は減るような気がする。むしろ、日比谷線を利用して銀座とかを利用するかもしれないし、それこそ副都心線で新宿三丁目に行く割合が増えるかもしれない。ということで、渋谷駅周辺の商業施設の利用割合は減るであろう。逆に、西武池袋線や東武東上線沿線の観光地に行くようになるかと言われると、ほとんどないだろう。なぜなら、沿線にはそんな面白いものはないからだ。川越？川越に行くくらいなら、横浜や三浦半島、鎌倉に行くであろう。しかし、逆はあるかもしれない。私の実家は西武池袋線沿線であるが、そこに住んでいたら、横浜の中華街や山下公園などには行っていたであろう。そういう点では、東横線の利用者は増えるかもしれないが、東横線沿線の住民にとっては、マイナスの方がプラスより多い事業であると私は思うのである。あれだけのターミナル駅を越える象徴的なランドマークを渋谷はつくることが出来ないであろう。あれこそ、渋谷の一つのステータスであった。池袋から西武池袋線のターミナルを除いたら、本当、魂が抜けたような感じになるのは異論を待たないであろう。あのつまらない駅に、レッドアローがいたりすることで、あそこは強烈に駅空間であることを人々に知らしめるのだ。同じ事は新宿駅でも言える。まあ、新宿の場合はJRの特急、あさまや成田エクスプレスがいることのインパクトが大きいが、それでも小田急線の新宿駅にロマンスカーが待機していることで、新宿駅は遠い他の地域とを結ぶ、「ハレ」的な空間であることを強烈に発信しているのである。渋谷駅はJRの駅としては、新宿駅はもちろんのこと、池袋駅よりも弱い。さらに、ここで、東横線のターミナルをなくすことで、なんか、駅としては相当、格が落ちると思われるのである。まるで新幹線が停まる前の品川駅のようなチンケな駅に堕してしまうような気がするのである。しかも、品川駅はそれでも地上にあったが、地下に潜ってしまい、都市景観としても抹殺されてしまう。東横線沿線住民として、そして渋谷駅を長らく使っていたものとしては、何か、もったいないことをしているなあ、というか土地を経済的な価値からしか見えない人達の愚行のようにしか思えないのである。
