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二世議員に投票することは、ある意味で特権階級の固定化、格差の拡大を定着させる行為である [サステイナブルな問題]

総中流社会と指摘されていた日本であるが、貧富の格差は広がり、しかも定着しつつある。そのような問題点を社会に知らしめた三浦展氏による『下流社会』が著されたのが2005年。それからも、この格差は広がりはしても、解消される気配も伺えない。このような貧富の格差が広がった大きな要因はバブル時代の地価高騰時において、土地の所有の有無が指摘されるが、それだけでなく、例えば富んだ階級層が、自分達の子供にも、そのような特権を引き継ぐようにしてきたことが要因である。それが、政治、芸能界、ビジネス、医者などの二世が多く生み出している理由である。さて、芸能界やビジネスなどは庶民の力ではどうにもならないが、唯一、我々が影響を及ぼすことのできるのが政治家の二世に対してである。単に政治家の二世、三世に票を投じなければいいだけである。日本と違って二世議員が極端に少ないドイツにおいては、もちろん同じ選挙区で二世が出馬してはいけないというルールがあるからだというのもあるが、二世議員が親のように立派な議員である保障はまったくない、ということを投票者の方がしっかりと認識していて、二世議員に投票することに慎重であるからだ、という話を知人のドイツ人から聞いたことがある。このドイツ人は、小泉、安部、福田、麻生と二世議員が連続して首相になった日本の状態をまったく理解できない、と私に言った後、そのような説明をしてくれた。

私も自民党が全然、駄目な理由は、多くの議員が二世議員であり、国民の痛みや苦しみを理解できない特権階級の人達であるからだと考えている。実際、民主党でも二世議員である鳩山元総理は、同様にだめだめであった。二世議員はアメリカでもブッシュ大統領というとんでもない事例がある。それに比して、菅元総理や、個人的には支援できないが、野田首相などのたたき上げの一世議員は腰が据わっていて、少なくとも政治家としては信頼できる。

我々が二世議員に投票することは、ある意味で特権階級の固定化、格差の拡大を定着させる行為であるとも言える。そのような状況を改変したいと思うのであれば、二世議員に投票しないで、より風通しのよい、柔軟性の富む社会をつくりあげるよう心がけるべきであると思う。いや、特権階級の人であれば、もちろん二世議員に投票するのはいいとは思いが、そうでない人は、この点を強く自覚した方がいい。「下々の人」発言をするような人が総理であって、いい社会が出来る訳がないのは自明であろう。
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