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デューク・オブ・セプテンバーを観て、ボズ・スキャッグスのギターの下手さに呆れた [ロック音楽]

パシフィコ横浜国立大ホールでデューク・オブ・セプテンバーを観る。スティーリー・ダンのドナルド・フェイゲン、ザ・ドゥービー・ブラザースのマイケル・マクドナルド、そしてボズ・スキャッグスから成るスーパーバンドだ。

さて、最初はサポーティング・メンバーだけが登場して、ジェイムス・ブラウンのPeople Get Up and Drive Your Funky Soulを歌う。これをバックに3人のデュークスが登場する。そして、The Isly Brothers など50年代〜60年代のカバーを2曲ほどして、マイケル・マクドナルドのI Keep Forgettin’。うぉー、懐かしい。次は初めてフェイゲンがボーカルを取り、マーヴィン・ゲイのTrouble Man。そしてKid Charlemagne。この曲でのジョン・ヘリントンのギターはメチャクチャ格好よい。ラリー・カールトンのオリジナルをも凌ぐ凄まじいソロである。次はボズ・スキャッグスがボーカルを取り、マディー・ウォーターの曲を歌ってミス・サン。その後は、ちょっと忘れてしまったが、数曲後にマイケル・マクドナルドが歌ったIf You Don’t Know Me By Nowは思わず涙腺が熱くなるほどの歌いっぷりであった。いやあ、年は取ったが、マクドナルドのヴォーカルはいいわあ、と改めて感心する間もなく、What a Fool Believes。きますか、やっぱりこれ。という感じで会場も大盛り上がりである。次はフェイゲンがHey Nineteen。ガウチョのアルバムの名曲ですな。ここでもヘリントンのギターは光っていた。次はちょっと私が知らない曲をボズ・スキャッグスが歌って、ジャニス・ジョプリンのではないアリサ・フランクリンのお姉さんのバージョンという解説つきで、ピース・オブ・マイ・ハートを女性コーラスがボーカルで歌う。そしてスティーリー・ダンのPeg。もうイントロで飛び上がるほど気分は高揚する。しかし!である。ウォルター・ベッカーのバッキング・パートをボズ・スキャッグスがやるのだが下手過ぎ。このバッキングは、ベッカーは右手でミュートしながら弾いている。You TubeのPegのインスト版などを観れば分かる。それなのにスキャッグスは、そのままペコペコ弾いていて、リズム・ギターなのにしっかりとリズム感を作り出せていない。しかもである。ジョン・ヘリントンのギター・ソロのところでも、同じ調子でペコペコ弾いていて耳障り、このうえない。ジョン・ヘリントンのギター・ソロを聴かせてくれ!その不要なバッキング止めてくれ、と私は心の中で叫んでいた。と同時に、なんでドナルド・フェイゲンのような完璧主義者がこんな奴にギターを弾かせているのかが不思議でしょうがなかった。もう、ヘリントンと比べると、先生と生徒といったような差がある。しかし、大スターゆえに、ギターが下手でも自分が中心的に弾きたいのだろうなあ。これじゃあ老害だ、と私は思ってしまいました。そして、その後はLowdown, Takin’ It To the Street, Reelin’ in the Yearsと三人がそれぞれの代表曲を歌ってアンコールへ。アンコールはLido Shuffle。そして、フェイゲンは最後に何を出すか。Black FridayとかAjaとかRikki、Babylon Sisters, Josieとかも浮かんだが、何とPretzel Logic。意外ではあったがいい曲だ、と改めて思わせられる名演。ここらへん、マイケル・マクドナルドは元スティーリー・ダンだったことを思い出す。そもそもコンビネーションは抜群なのだ。そして、最後にちょっと皆が踊れる曲を、とのフェイゲンの紹介でスライ・エンド・ザ・ファミリーストーンのThank Youそしてバディー・マイルスのゼム・チェンジス。最後はちょっと意外な終わり方であったが、まあ十分、楽しめた。特にヘリントンの凄まじいギター・プレイを間近で観ることが出来て本当よかった。まあ、そのおかげでボズ・スキャッグスのギターの下手さが本当、際だったが(といっても、私よりは当たり前ですが全然、上手いですが)。

あと興味深かったのは、観客の一部はスティーリー・ダンの曲で結構、座ったり白けたりするものが多かったことだ。私なんかは、もうスティーリー・ダンの曲が目玉だったので、こういう客はよく理解できないが、どうもボズ・スキャッグス目当てで来ているようであった。というのは、スティーリー・ダンの曲とかは白けているのだが、ミス・サンとかで異様にノリノリだったからだ。まあ、人それぞれだし、私もそんなにボズ・スキャッグスは嫌いでなかったのだが、ドナルド・フェイゲンやマイケル・マクドナルド等に囲まれていると、ちょっと粗が目立つなという印象を覚えた。

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