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音楽の歌詞を正確にヒアリングするのは難しい [英語関連]

朝食時に10歳の次女がベン・フォールズのコンサートに行った時に購入したTシャツを着て食堂に来た。そのTシャツには、「Good morning sun, I am a bird」と「Still Fighting It」の歌詞の最初の一節が書かれている。そして、その歌詞のバックには、鳥と太陽の絵。それを何気なく見ていた私は、ぼんやりとした違和感を覚える。何か違う。ちなみに、「Still Fighting It」はアルバム「Rockin’ The Suburbs」に収められているベン・フォールズの名曲である。

そこで私ははっと気づく。この曲は、SunではなくてSonの筈だ。少なくとも、私はそう聴いていた。しかし、もしかしたら私の聞き違いかもしれない。とはいえ、この曲で泣けるところは、「And you’re so much like me. I’m sorry」(君は僕にそっくりだ。ごめん)と言うところで、これは、父親が息子に語りかける言葉としては極めて切ないと思うのだが、これがsonではなくてsunであったら、私の曲の解釈もまったく間違ったものになるのではないか。しかし、Tシャツに書かれているぐらいだから、間違っているのは私なのか。と不安になって、歌詞をチェックしてみたら、私が正しくsonであった。Tシャツをつくった人のミスであったのだ。自分の解釈が間違ってなかったことは一安心だが、それにしても、そこらへんの屋台で買ったものであるならまだしも、ベン・フォールズのコンサート会場、すなわちアーティスト公認のTシャツで、このような解釈ミスというのは一体全体何なのだろうか。まあ、このTシャツを作成したのが日本人であるかどうかも分からないが、ヒアリングは難しいものがある。これは、ベルリッツに通えば直るようなものではないほど難しいものであると思う。

さて、そもそも歌詞のヒアリングというのは結構、難しい。以前、スティーリー・ダンの「My Old School」のコードをインターネットでチェックしていたのだが、歌詞が「girls could be so rude」と書いてある。私はずっと、「girls could be so cruel」であると思っていたので、ショックを受けた。rude とcruelといえば、随分と違う。Sonとsunよりも違う。しかも、このサイトはアメリカ人がつくったと思われるサイトだ。少なくとも、日本人であることはない。曲を聴くと、rudeと聞こえない訳でないが、cruelと相変わらず聞こえる。文脈的にもcruelの方がしっくりとくる筈だ。なんだか納得できないが、私のヒアリングも随分と劣化したな、と思っていたのだが、その後、この曲の楽譜を購入してみたら、そこの歌詞はcruelと書かれていた。そうか。アメリカ人でも、歌詞をそのままヒアリングすると間違えるのか。ということに気づいた。

だから、曲をしっかりとヒアリングできなくても、そんなにも気にしなくてもいいとは思うのだ。ネイティブでもしっかりできない。これは、日本語の曲にも言える。例えば、私が偏愛する椎名林檎の「丸の内サディスティックス」で「ラット一つを商売道具」でラットをRatt社のディストーションのことを指していると分かる人は稀であろう。この曲を、ヒアリングだけでしっかりと日本語化できる人は少数であると思う。

とはいえ、Tシャツをデザインする時は、しっかりとその正しい歌詞をチェックするようにした方がいいと思う。というか、やはりsonかsunはベン・フォールズの場合は文脈から明らかであろう。参考までに、出だしを紹介するとこうなる。
「Good morning, son. I am a bird. Wearing a brown polyester shirt. You want a coke?
Maybe some fries?The roast beef combo's only $9.95. It's okay, you don't have to pay.
I've got all the change」
太陽にコークいる?フライはどう?と聞くわけないから、これは息子であろう。



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