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『ジンガ』 [映画批評]

 ジンガとは、ブラジル人が生まれながらに持っている気質のようなものだそうだ。大和魂に近いものであろうか。このジンガはしなやかさなどをどうも意味するようで、私的には酔拳的な動きなのではないかと勝手に解釈している。さて、この映画であるが、基本的にはサッカーに取り組むジンガを持つと思われる、というかジンガの神様が舞い降りたと思わせるような数名の若者を通じて、その生き様を描写していくのだが、多様な若者に注目することで、ブラジルという国の多彩さをもこの映画が表現することに成功していることだ。黒人、白人、アジア人といった多様な人種、ファベラで育つ若者、サンパウロの裕福な地区に住み、私立高校に通う若者、リオ・デジャネイロ、サンパウロ、サルバドール、はたまたアマゾンのマナウスよりさらに上流の辺鄙な地域に住む若者・・・。ジンガを表現しようとすることで、結果として、ブラジルという国の奥行きの深さ、懐の多様性が描写できており、ブラジルという国を知るうえで、とても有益な映画となっている。そして、最後では、フットサルの世界最優秀選手になったファルカンとロビーニョのフットサルでの試合が企画される。これは、なかなかの見物であった。ファルカンとロビーニョの動きを見ると、彼らを通じて、ジンガとは何かは理解できる。

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