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シアトルのガス・ワークス・パークを久しぶりに再訪して、改めて感心する [都市デザイン]

 私は大学院でランドスケープ・アーキテクチャーを学んでいたこともあり、公園に比較的、関心がある。世界の公園めぐりが結構好きだ。その中でも、結構、お気に入りなのが、シアトルのユニオン湾の北側にあるガス工場跡地につくられたガス・ワークス・パークである。シアトルに久しぶりに来たので、ちょっと足をのばしてここまで訪れた。

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(工場を公園に活かしたことで、この場所性が強烈に表現できるようになった)

 このガス・ワークス・パークは1975年に公園として開園した。シアトルのランドスケープ・アーキテクトであるリチャード・ハーグによって設計されたこの公園は7.7ヘクタールの規模と、アメリカの公園としては決して広くはないが、ガス工場をそのまま残したという当時としては極めてユニークな試みで知られることになる。今でこそ、産業遺産など、そのような試みは広くみられるが、その先駆けといってもいいプロジェクトであろう。このガス・ワークス・パークの成功は、推測ではあるが、ドイツのルール工業地方の数々の産業遺産を維持することに繋がったのではないかとも思われる。
 さて、始めてこの公園を訪れたのは1994年頃だったと思うが、それから15年以上経ち、ルール工業地方の産業遺産を活かしたプロジェクトを数多く見たこともあり、始めて見たときの感動は薄れ、むしろ工場施設にペンキを塗ってしまっているなど、本物らしさの演出があまりなされないなと思ったりもしたが、それでも、この場所のセンス・オブ・プレイスを活かしたデザインに感心する。公園には多くの人達が思い思いに、楽しみながら時間を過ごしていた。読書をするもの、凧を上げるもの、犬の散歩をするもの、子供とサッカーをするもの。さらには結婚式の記念写真を撮影したりもしていた。この公園が広く、人々に受け入れられるころがうかがえた。そして、この公園からのシアトルの景観は絶景だ。このような公園があることで、その都市の魅力が大きく向上される。東京もお台場などは、ロケーション的にはそのようなポテンシャルを有しているのだが、うまく活用できていない印象も受ける。

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(公園からはシアトルのスカイスクレーパーが見られる)

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(ユニオン湾から飛び立つセスナ機)

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(カラフルなペンキを使っているのは、ちょっと感心しないが、子供達にはいいかもしれません)

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(結婚式の記念撮影をする人達までいました)

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