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松山市はエコシティという観点からは日本の中でも先端に位置づけられるであろう [都市デザイン]

 四国で一番大きな都市は高松市だと思っていたのだが、実は松山市であった。松山市の人口は51万を越えている。それに比して、高松市は42万人弱。市町村合併等でいつの間にか抜かれたのかとも思ったが、そうではなく常に松山市が四国最大であった。これは私だけの誤解かもしれないが、高松市の方が大きいと思ってしまうのは、多くの支店や国の支所が高松市に立地していることとが私の誤解を招いてしまったのかもしれない。
 松山市の高台にある松山城に上ると、松山市内が展望できる。とても美しい構造をしていることがわかる。松山市はコンパクトシティを目指しているようだが、大通り沿いに建物や文化施設が集中して立地しており、そこに都市空間を形成させようとする意図がうかがえる。この都市空間の調和を乱すような高層ビルが乱立するようなこともなく、日本の都市においては珍しく、そこに計画的な意図を読み取れる。細かい点をみれば、問題もあるのだろうが、少なくとも松山城から望む松山市は、結構、美しい。50万人という規模の都市で、このような印象を持ったことはほとんどないかもしれない。しかも、都市を包み込むように周縁部は緑で覆われている。まるでグリーンベルトが都市を囲いこんでいるかのようだ。

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 これは素晴らしい。伊予鉄道によって、公共交通もそれなりのサービスを提供できている。これをより強化することによって、コンパクトシティのメリットをより享受することができるようになるだろう。ドイツのフライブルクは松山市の姉妹都市である。人口が20万人ちょっとのフライブルクとなぜ、松山市が姉妹都市になったのかは不明だが、しかし、コンパクトシティを指向しているフライブルク市のように、50万人規模の松山市がコンパクトシティを指向することは興味深いし、それなりに意義のある試みであると思われる。
 しかし、松山市は四国でも数少ない人口増加傾向にある。これはコンパクトシティを指向することによって、それなりの都市アメニティが確保できているからかもしれないと考えたりもするが、人口増加に対応するのはコンパクトシティという考え方はそれほど有益ではない。むしろ、公共交通軸に沿って、都市の成長を誘導するリニア・シティのコンセプトの方が有効である。そうすることによって、コンパクトな市街地を維持しつつ、秩序だった都市成長を促すことが可能となる。
 まだ熊本市や長崎市などとしっかりと比較しないといけないが、私が日本の50万都市クラスでエコシティはどこですか、と外国人に聞かれたら、現時点では松山市が一番、それに近いでしょうと回答するであろう。間違っても青森市や富山市ではない(富山の森市長は陰ながら応援しているので、こういうのはちょっと申し訳ないのであるが、施策面はともかく、実態としては松山市の方がずっとエコシティの条件を満たしていると思われる)。いやはや、松山市を訪れ、日本の都市もそれほど悪くもないな、と思い、ちょっと勇気づけられた。

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