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新東名高速道路の一部開通を考える [道路整備事業の大罪]

新東名高速道路の一部、静岡県の御殿場から三ヶ日ジャンクション間の約162キロメートルの区間が14日に開業した。私は『道路整備事業の大罪』といった私個人的には極めて不本意で下品なタイトル(私個人は『道路は地方を救えるか?』にしたかったのだが、出版社サイドの強気な姿勢で妥協させられた)の本を出したこともあり、この新東名高速道路の動向には注目していた。さて、法政大学の五十嵐先生などと異なり、実は、私は、この新東名高速道路に対してはあまり反対していない。というのは、その整備を必要とするような交通需要が少なからずあるからだ。私が疑問を呈している道路整備とは、ほとんど誰も住んでいないし、交通需要もないような地区に整備される道路である。そういう道路と比べると、新東名高速道路はまだ需要があるし、整備する妥当性があるのではないかと考えている。片道三車線だけの自動車需要はないとの指摘には、真ん中の車線を1本ずつ削って、貨物用の高速鉄道を走らせられるようにするなどの対応をすればいいと思う。社会資本としては、是が非でもつくらなくてはならないものではないかもしれないが、まあ、税金をどぶに捨てるような、例えば離島とを結ぶ橋などの整備に比べれば費用対効果もあるのではないかと考えている。

しかし、問題は、この道路規格が基本的には設計速度140キロを担保した構造となっていることだ。140キロであるなら、規制速度も上げればいいのに、規制速度は100キロだ。なんでこんな馬鹿なことが起きえるのか。これは、設計速度140キロにした方が、遙かに道路工事費が高くなるからだろうと私は邪推している。すなわち、そういう道路構造にすることで、より事業費が高くなり、道路族や道路利権者にメリットが生じるからだ。当然、その予算を牛耳る役人にとっても美味しい。その結果、総事業費は約7兆円に跳ね上がっている。そういうことをやっている一方で、消費税を上げると言う。消費税を上げなくてはならないような国家財政であることは分かるが、このような法律にもないような(道路構造例には140キロ道路の整備は考えられていない)超高規格の道路を整備することは控えるか、法律を改定して140キロで走行できるように対応すべきだと思う。単に、事業費を高騰させるための超高規格道路を整備するのは控えてもらえると有り難いと思うのは私だけではないだろう。


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