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大飯原発が100キロ圏と安全協定を結ぶという欺瞞 [都市デザイン]

大飯原発が100キロ圏と安全協定を結ぶそうだ。なんか民主党は、福島原発事故から何も学んでいないのかと唖然とする。というか、学んだとしても、原発再稼働に都合が悪いから無視しているだけなのかもしれない。日本の風は西から東へと吹く。これは、大きな地球規模での風の流れである。したがって、福島原発事故で排出された放射能物質の多くは太平洋へと流れた。日本国土に降下した放射能は、全体の3割にも満たない。それでも、たまに東風が吹いたりして、福島市や郡山市、そして飯舘村など、原発より東側にあった自治体にも多くの放射能が降下した。一方で、原発から40キロしか離れていないいわき市などは奇跡的にあまり放射能が落ちず、そうかと思うと200キロメートル以上離れた柏市などには降雨のせいでいわき市なみに落ちてしまった。

そのように考えると、大飯原発から一律100キロ圏というのは、まったくもっていい加減な数字である。原発事故後に避難区域を一律30キロメートルとした愚を繰り返している。大飯原発が事故ると、風の流れから西側に多大なる影響を及ぼす。特に、伊吹山にぶつかった放射能雲は関ヶ原を越えて、大垣市、そして名古屋市へと流れ込むであろう。ここで興味深いのは、100キロ圏だと名古屋市が含まれないことである。一方で大阪市はぎりぎり含まれる。原発反対のパフォーマンスを大阪市がやればやるほど、世間は、大飯原発は名古屋ではなく大阪が被害者になるのかと勘違いをしそうで心配だ。そして、大阪の反対を支援することで自分達の反原発的の自意識を満足させ、フラストレーションを発散させた後、大阪が承諾することで、まあ大阪がいいというなら大飯原発もいいかな、みたいな世論が形成されてしまうことを危惧する。私は、なんかそういう裏シナリオがあるように邪推しているのだが、しかし、ある電力会社関係者は「大阪が反対するなら、大阪の電気を2〜3日止めてしまえ」と言ったそうである。あの東日本大震災の悲惨な状況から1年も経ってないでよくこういう愚かしいことを言えるな、と私はむしろ感心したのだが、ここまで馬鹿なことを言う奴がいるのであれば、裏シナリオという仮説も間違っているのかもしれない。だって、これは火に油を注ぐようなものでしょう。

まあ、それはともかく、本当に危ないのは名古屋なのに、名古屋市と安全協定を結ばないというのは何なのだ。名古屋はなぜ、怒らないのだ。この温和しくしている名古屋人というのが、今、私が抱える不可解な謎である。
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