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不動産絶望未来 [書評]

週刊誌AERAの記者が、これまでの取材内容をまとめた一冊。ほとんどの不動産は足手まといの「未来拘束装置」に成り下がっている、と著者は多くの客観的なデータ、そしてあまり論理的ではない勘から主張する。客観的なデータと、主観的な予測がない交ぜになっているので、書かれている内容をそのまま鵜呑みにするのは危険ではあるが、客観的なデータは、著者の主張する意見を裏付けていると私は考察するので、読んで意味がないことはないと思われる。すなわち、データという食材はしっかりしているのだが、それを調理する著者の腕がちょっと今ひとつなので、出てくる料理は怪しげではあるが、食材はしっかりしているのでまあ食べられる、といった感じである。ちなみに、著者は、この私の前文のような比喩や造語を多く用いる。造語は、例えば、「渋多苦」や「クラウド住宅化」などである。この著者の、文章の書き方に抵抗を覚える人は少なくないと思われる。読んで損することはないし、特に、不動産を購入しようとしている人には不可欠な知識がまとめられているとは思うが、そのまま著者の意見を鵜呑みにするのは危険であると考察する。

不動産絶望未来 ―これからの住宅購入は「時間地価」で探せ!

不動産絶望未来 ―これからの住宅購入は「時間地価」で探せ!

  • 作者: 山下 努
  • 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
  • 発売日: 2010/11/26
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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