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井川慶の生き様は、本当に才能の無駄をしていると思う [スポーツ]

ホイットニー・ヒューストンが最近、亡くなった。ボディーガードなどのヒット曲を生んだ稀代の歌姫も、最近では麻薬や飲酒の自堕落の生活を送り、コンサートでもかつての美声を披露できず、ブーイングを受けるような有様であったようだ。なんたる才能の無駄、と才能がない私は思う。

もう一人、私が本当に才能の無駄だな、と余計な御世話ながら嘆くのは、ヤンキースの井川慶である。もう32歳の左腕投手は、ヤンキースの5年契約もようやく終わり、オリックスなどが触手を伸ばそうとしているそうだ。

もう半年以上も前の記事だが、ニューヨーク・タイムスが井川慶の特集をしている。

http://www.nytimes.com/2011/07/24/sports/baseball/kei-igawa-the-lost-yankee.html?pagewanted=all

その記事を下記かいつまんで要約してみる。



井川慶が2007年に入団した時はヤンキースのローテーションの一角を占めると期待されたが、結局16試合に登板。そのほとんどが失望に値する内容であり、ヤンキースの球団史上、最悪のフリーエイジェント契約選手と言われた。

その後、ヤンキースは井川には一軍での登板機会はないと伝えたのだが、それでも球団は井川に年間4億円(現在の為替レートだと3億2000万円)ほど支払わなくてはならなかった。球団は井川を日本に戻そうとしたが、井川は子供の頃からメジャー・リーグで投げることが夢であったと受け入れなかった。そして、驚愕するような「手詰まり」状態が続くことになる。

そして、驚くことにまだ井川はメジャー・リーグで投げることを夢見ているようなのだ。井川はまた、ヤンキースの試合に関心を示したり、テレビで観たりしないそうなのだ。井川はこう回答した。「僕は試合は全然観ない。結果を気にもしない」。

(ここらへん中略)

井川は英語がしゃべれないので、どこに行くにも通訳の竹下さんを伴う。この竹下さんもヤンキースが雇っている。竹下さんはピッチング・コーチが試合中にマウンドに行くときも、ついていき井川に通訳をする。

「僕はレストラン・メニューぐらいは理解できるほど英語はできる。しかし、映画とかブロードウェイの英語はちんぷんかんぷんだ」。

井川が投げているダブルAでは、平均給与は月20万円程度だ。井川はこの130倍も稼いでいる。井川の5年間を顧みて、ヤンキースのキャッシュマン・ジェネラル・マネージャーは「それは大災難(disaster)だった。我々は失敗したのさ」。そして、キャッシュマンは2008年と2009年に彼を日本のチームに戻そうと努力したことも明かした。

キャッシュマンは井川にこう伝えたそうだ。「我々の評価では、君はメジャー・リーグの投手としてはやっていけない。そして、君が日本のチームに戻ってくれれば金銭的にヤンキースはとても助かる。君を取ってしまったのは私達の失敗で、君の失敗ではない。しかし、君が残るというのであれば、君はどこにも行けないよ」。しかし、井川は2008年、2009年ともに日本へのトレードを拒否したそうである。そして、メジャー・リーグの他チームは井川にまったく興味を示さないそうだ。まあ、これは5年間、20億円(現在の為替レートだと16億円か)という契約金が高いということもあるだろう。

井川はヤンキースのファームのスクラントンで33勝という通算最多勝の記録保持者になっている。しかし、キャッシュマンは井川のファームでの成績は、ほとんど参考にならないという。というのもフライボールが多く、これはメジャー・リーグのピッチャーとしては欠点だからだ。

キャッシュマンは井川は「最も不可解な選手であり、フラストレーションが溜まる」と表現する。彼は何事も自分のやり方で通そうとする。

以上

この記事を読んで、私は井川選手を馬鹿だなあと思うより、なんかこう悲しくなってしまった。確かに、ヤンキースの契約で20億円も稼いだことはなかなか素晴らしいことであるとは思う。しかし、ヤンキースという組織にとっては、まったく不要であったにも関わらず、そこに拘泥したその姿勢は、私はこのような類い希な才能をもらったことへの侮辱と映るのである。野球選手の旬は短い。なんて、もったいないことをしてしまったのだと思わずにはいられないし、是非とも、今年はヤンキースのファーム・システムから出て(というか、ヤンキースも流石に再契約しないだろうが)、思い切り野球をやってもらいたい。それが、才能を持って生まれたものの責任なのではないかと思ったりもする。才能がない私としては。

タグ:井川慶
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