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TPPに加盟することに賛成する農家の話を聞く [サステイナブルな問題]

神奈川県の農家の方とお話をする。この方は地産地消に力を入れており、95%が直売。農協には5%しか卸さない、というか卸したくても直売でほとんど売れてしまうので卸したくても卸せないそうだ。この農家の方はTPPに賛成であると強く主張する。なんで反対するのか分からない、とのこと。実はこういう農家は多く存在する。この方も、他の農家の人からなぜTPPに賛成なのかと問い詰められ、理路整然にそれを賛成する理由を説明すると、多くが納得するそうだ。なんか、マスコミとかが報道しているのと実態は違うような気がする。この農家の方が私に話してくれたことを以下、箇条書きする。

・国内を豊かにするためには、よそから注文を取れるような国にしないと駄目。いいものをつくれば農業でも対抗できる。TPP賛成で、農家は被害を受けるというが、それは売れないものをつくっていることがいけない。農家自体が食べたくないようなものをつくっているのに、それを売っている。それじゃあ、人々は買わない。自分たちが住んでいる地域において、身体が欲しいものは海外の農家は分からない。これに関して、日本の農家ほど情報が理解できるものはいない。そこの土地に生まれ、そこの土地の旬のものを食べていれば、健康に差し支えない。それでずっと日本人は生きてきた。それをTPPが解禁になったからといって、他のものを買いますか。
・消費者は安いものからといって飛びつかない。今、ホウレンソウは一束50円で売られているが、それが安くなったからといって売れない。安いからといって腹一杯食べないのと同様。
・野沢菜は長野の雪の中で食べるから美味しい。それを関東に持ってきて食べても美味しくない。そういうのが旬の味である。
・農家が反対というよりかは、農業団体が反対している。農中金などの上から反対がしている。米がよそから入ってくると、米が暴落すると言われるので、農家の人はそれを呑み込む。TPPを農家が反対するのは、農協の中央会が反対して、トップ・ダウンで反対しているから。これに反対するといろいろと支障が生じる。したがって、反対できない。
・中国なんかは日本の米を輸入している。中国は日本の3倍くらいの値段で買っている。関税がなくなれば、それでも高いままで輸出することができる。中国の税金が減るだけという話だ。
・今でも、オランダから野菜が入ったり、ニュージーランドから果物が入っていたりする。しかし、それは旬の味がしない。旬のものでなければ、本来的には身体が欲しない。
・政治家が反対する理由を一生懸命つくっていた。自民党が政権を取るために、わーわー言っているだけだ。しかし、TPPの中身を誰も分かっていない。それよりも、もっと国会でやらなくてはいけないことは、大震災の復興の仕事をしなくてはいけない時に、総理大臣が外国人の献金とかで足を引っ張っている。震災を受けて、まる一ヶ月、民主党は震災地を歩き回ったが、自民党は何をしていたのだ。菅さんは震災後、寝ずに頑張っていた。むしろ、本当に仕事をしなかったのは自民党。自民党には本当に呆れた。
・日本の国の政治家は主導権を握りたくてしょうがないので、足を引っ張りあっている。国会は延長すればするほど、一日何億もかかる。これこそお金の無駄である。国会議員を3分の1に減らせばいい。
・TPPを反対する人もいるかもしれない。しかし、会社が利益を上げなくてどうするの。TPPに反対してどうする。金がない人に、買ってくれ、と言ったって売れない。金がある人をつくらなければ、農家だって困窮する。私なんて、すぐそう考えるよ。農家が日本経済の活性化と関係ないなんて、あり得ない。
・日本人はそんなバカな人間ではない。島国だから、昔からそれで生計をたてているじゃないか。アフリカなどは隣国に逃げられるが、日本はそういうことはできないじゃないか。日本人を信用しなきゃいけない。TPPぐらいでがたがたするな。
・原発は反対。島国だから逃げられないし、このままだと滅びてしまう。寒ければ服を着ればいい。クーラーなくても死なない。理に合わないことをやっていると腹が立つ。農業は合理的だから、理に合わない原発は腹が立つ。スイッチで止まらないものをつくるな。
・風力発電も問題がある。三浦の剣崎に風力発電があるけど、風が渦巻いて、下の畑の野菜が傷んでいる。農作物があるところではよくない。

そして、こう言って話しを終わらせた。「農家の人はバカのように見えるかもしれないけど、頭使うよ」。いや、本当に仰る通りである。日本の農家の底力と胆力の凄さを知った一日であった。TPPで農業が壊滅するのではなく、農水省や農協の権限が弱くなるというのが、本当の反対の理由なのではないかと思わせられた。

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