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ダラス・マーベリックスの優勝で、オシムの言葉を思い出す [スポーツ]

ダラス・マーベリックスがチーム創設31年で初優勝した。私が知っているダラス・マーベリックスは、最弱に近く、1993年は11勝71敗という情けない成績を残していた。私がNBAに強い関心を抱いたのは90年代だったので、マーベリックスの今回の快挙は印象深いものがある。どんなにどん底であっても、しっかりと将来戦略をたてていれば、いつかは花開くこともあるのだな、と思わせられるからである。ダラス・マーベリックスといえば、2007年のプレイオフである。その年、マーベリックスはチーム記録の67勝15敗の成績で第一シードのチャンピオン候補最右翼としてプレイオフに臨むのであるが、一回戦に、私の第八シードのゴールデンステート・ウォリアーズに負けることになる。私を含めて、その時のウォリアーズ・ファンの喜びといったらなかった。私はこれからウォリアーズのゴールデン・イヤーズが訪れるだろうと確信し、長い乾期を経て、ようやくウォリアーズ・ファンも報われる時が来たと喜んだのであった。

しかし、それは束の間の喜びにしか過ぎなかった。その後のウォリアーズの展開は私の期待を大きく裏切るものであった。ウォリアーズは、またプレイオフと縁遠い、NBAのドアマット(靴ぬぐい)のチームに逆戻りし、そしてマーベリックスはこの屈辱をばねに、遂に栄光を手にしたのである。私は、マーベリックスの優勝の報に接し、オシムの言葉「ミラクルは一度限りで、二度はおこらない」や、「勝つことより負けることで学ぶことの方が多い」などを思い出したのである。

あと、ドイツ人でNBAに挑戦したダーク・ノビツキーがMVPに選ばれたことも素晴らしいことであると思う。ダーク・ノビツキーはマーベリックス一筋のまさにミスター・マーベリックスである。スーパースターで、このような選手は、NBAではもう本当にわずかしかいない。レーカーズのコービー・ブライアントなど両手で数えるほどである。高校卒業後にNBA入りしたミネソタのケビン・ガーネットも、ミネソタに栄冠をもたらす前に、ボストンに移籍してしまった。クリーブランド・キャバリアーズからヒートに移籍したジェームスが精彩を欠いたことは、さらにチーム一筋のノビツキーの価値を高めたようにも思える。マーベリックスのファンはそういった点で大変恵まれている。ウォリアーズにはクリス・ムリン、ティム・ハーダウェイ、ミッチ・リッチモンドが在籍した90年代前半以降、ウォリアーズの看板を背負ってくれるような選手がまったく出ていない。寂しいことである。

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