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福島第一原発の事故は決して東電だけが責任を負うような事故ではない。 [原発問題]

東京電力の社長が22日、原発立地町の避難先3箇所を訪れ、謝罪をしたそうだ。以下、毎日新聞のウェブサイトから引用。

「福島第1原発事故の謝罪のため福島県を訪れた東京電力の清水正孝社長は22日、原発立地町の避難先3カ所を訪ね、町長らに初めて直接謝罪した。しかし、避難住民に会ったのは一部だけで、町長らから「被害者は町民なのに誠意がない」と批判の声が上がった。富岡町民が避難している郡山市のイベント会場「ビッグパレットふくしま」(避難者約1650人)では約2時間、両手を床につき「申し訳ありませんでした」と頭を下げて回った。避難者からは「土地を買い上げてほしい」「原発なんかつぶしてしまえ」と悲痛な声が上がった。避難者の同町本岡、無職、横田一也さん(63)は「もっと早く来てほしかった。『帰りたい』と言っていた90代の母が精神的な疲れからか昨日亡くなった。もう涙も出ない」と話した。遠藤勝也町長は「全く残念で悪夢のよう。迅速に対応していれば被害を最小限に抑えられたのではないか」と批判した。」

 私はこのブログでも東京電力の無責任体質が、今回の原発事故を引き起こしたと書いたりしていた。しかし、それは軽率な判断であったと最近は考えつつある。そもそも、東電に原発を推進させるような政策判断をしたのは経産省であり、当時の自民党である。東電は、国の政策を忠実に遂行したに過ぎない。そして、東電のような民間会社に原発のような危険極まりないものを押しつけた経産省は、この事件の最重要責任者であるにも関わらず、なぜかその責任が追及されていない。マスコミは東電と菅首相と民主党こそが、この原発事故の責任者であるかのごとく追求しているが、ちょっと本質を外しているのではないかと思っている。さらに、このような危険な原発を、このような事故を起こしたにも関わらず、多くの人々が未だ支持しているという世論調査結果をみて、正直、このような事故を起こしたのは日本国民全体の責任なのではないかとも思いつつある。疎開した福島県民を差別したりしているニュースなどを耳にすると、本来的には日本国全体の問題であるにも関わらず、それを原発が立地していた福島という地域的な問題にすり替えて、その被害の深刻さ、そしてこの事故をもたらしたのが、自分達のエネルギー浪費的なライフスタイルであることに目をつぶっているようにも思える。
 しかし、今回の福島の人達の悲劇は、原発が立地するすべての地域において起こりうることであり、福島だけの問題では決してないし、ここに原発が立地している最大の理由は東京の人間が無駄にエネルギーを浪費していることにある。そのように考えると、東電の社長に向けられる非難は当然ではあるが、そこを責めればいいといった問題ではないことも理解した方がいいであろう。なぜなら、この原発事故は東電が引き起こしただけでなく、その背景にある要因が引き起こしているからであり、経産省の適当な無責任体質、そして我々の浪費的ライフスタイルを変えることができなければ、フクシマはまた将来、確実に起こり得るからである。

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