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自動車の隠れたコスト [サステイナブルな問題]

東京の幹線道路は平日に比べても休日の方が混んでいたりする。業務用の車が減っていることを考えると、これは奇異な現象であるが、その説明の一つは、平日は自動車に乗れないので、休日に頑張って乗るため渋滞するからであるというものだ。その是非はともかく、確かに高額な自動車を車庫に眠らせておくのは勿体ない。

さて、それでは休日のうち例えば日曜日だけ車を運転したとすると、一日あたりどれくらいのコストがかかるのか。ここでは、ガソリン代とかタイヤの摩耗とかは一切考えずに、通常計算にいれられない自動車自体の価格を利用日で割るという計算をしてみる。

自動車がいくらであるか、新車を買った経験がない私はよく分からないが、なんとなく200万円くらいであるかと思うので、ここでは200万円とする。また、自動車の平均使用年数だが、これは2009年では11.7年。この数字は4年連続で伸びているそうだ。ここでは計算を楽にするために便宜的に12年にしてみよう。

さて、12年間で毎日曜日に運転したとすると、50×12=600日運転したことになる。200万円を600で割ると3333円。うわっ、これは高い。仮に土日、両日運転したとしても1670円くらいか。これにガソリン代やメンテナンス費用、保険や車庫代、それに税金、車検などを考えると、恐ろしく高い交通手段であることが分かる。初期値が1670円だから、仮にガソリン代だけ考えたとしても、運転手しか乗車していない場合などは強烈に割高であることが分かる。あまり、私とかに関係ないがベンツのEクラス・セダンとかだと900万円であるから、仮に毎日曜日しか運転しないと1日当たりの使用料が15000円になる。本当に高いなあ。

まあベンツが買える人は余裕があるからいいだろうが、200万円の自動車を購入できない人は自動車しか交通手段がないような状況だと本当に大変である。今後、ガソリン価格が徐々に上がっていくと考えると、本当に自動車依存の社会状況から脱却することが必要となるであろう。地方は一生懸命、道路整備に励んでいるが、道路整備に励み、公共交通を圧迫し、そのサービスを劣化もしくは喪失した時、東京をはじめとする大都市との豊かさの差が真に大きくなることを知るであろう。知った後では遅いのであるが、その点をしっかりと認識するといいと思われる。私は所詮、東京に住んでいるので、他人事であるのだが、地方が衰退すると、日本という国の多様性が失われ、それは国益を大きく損ねるので、個人ベースはともかく、一日本人として非常に危惧しているところがあるのだ。

自動車がいかに高い乗り物であるかを、もっと人々は認識すべきであろう。高速無料化を議論する前に、この点をしっかりと認識することが必要であると思われるのである。

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