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アメリカの州別人口増加率をみると人口縮減地域が結構、多いので驚く [サステイナブルな問題]

先進国で今後も人口が増加する国と推測されている国は唯一アメリカである。日本は人口のピークに達したが、ヨーロッパもドイツをはじめ、イタリア、スペインもそろそろ減少し始める。移民を多く入れているフランス、イギリスも近いうちに減少モードに入ることが予測されている。韓国、台湾はもとより、中国もそれほど遠くないうちに頭打ちになると予測されている。そのような中、ある意味、一人勝ちのように人口がこれからも伸びていると予測されているのがアメリカである。これは社会増が依然として多いからだが、移民、特にヒスパニックや東南アジア系の出生率の高さにも影響されている。アメリカはだんだんと白から有色になっているのである。

さて、しかし、アメリカであれば地域差がなくどこでも増加している訳では決してない。インターネットに興味深い図が載っていた(http://www.npg.org/1_2009_new_charts_graphs/st-perchg-map20002008.jpg)。

st-perchg-map20002008.jpg

人口増加率が高いのはネバダ、ユタ、アリゾナという砂漠地域。これらはそもそもの人口が少ないため、増加率は高くなりやすい。しかし、冷房がなければ住めないのは勿論だが、ユタ州でなければ水も不足している。誰が好んでこんなところに住みたいのか分からないが、まあ、地球温暖化が進む中、冷房代やら何やらで環境負荷の高い地域において人口が増加しているのは先行きが暗いと思わせられる。それ以外で高いのはアイダホ、コロラド、テキサス、フロリダ、ジョージア、ノースキャロライナ。皆、まだ開発余地のあるところだ。

一方で人口が激減しているのはカトリーナ台風の被害を受けたルイジアナ州とノースダコタ州。ノースダコタの場合は人口が相当少ない(67万人)ので、ちょっと減っただけでも減少率は高くなってしまうのだが、それにしても8年間で8%というのは高い減少率である。あと減少が進んでいるところをみるとメインなどのニューイングランドからニューヨーク州を含めて五大湖沿岸をかけてモンタナ、ワイオミングまでの中西部一帯。それにミシシッピ州、アラバマ州か。重工業地帯そして中西部を中心とした農業主体の地域において人口減少がみられている。

アメリカは先進国の中では、極めて例外的に今後の人口増加が見込まれているわけだが、地域別にみると、人口縮小の問題に対応しなければいけない地域が大規模に及ぶことを知る。1990年から2000年までで人口が減少した州は一つもなかった(ワシントンDC特別区だけが減少したが、これは州ではない)ことを考えると、アメリカも国レベルはともかく州レベルでは縮小する人口に対応することを余儀なくさせられているところが出始めているのである。
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